中山信児 – クリスチャン新聞

パネルディスカッションの様子 賛美歌に関心を持つ超教派の会員が、音楽・言語・神学などの幅広い視点からの学びや研究、海外の新しい賛美歌の紹介、創作活動、情報交換などを行っている日本賛美歌学会（会長：江原美歌子）。同学会の「第25回大会」が11月8日、大阪・西区の日本聖公会川口基督教会で開催された。 パネルディスカッションの様子 テーマは「賛美歌のことば ～今、わたしたちは何を歌うのか？」。荒瀬牧彦氏（カンバーランド長老教会田園教会牧師・日本聖書神学校教授）、平良愛香氏（日本基督教団川和教会牧師・農村伝道神学校校長）、中山信児氏（JECA 菅生キリスト教会牧師・聖契神学校教師）が、同テーマを主題にディスカッションを行った。 これまで賛美歌創作に携わってきた三氏は、賛美歌を作る中で考えてきたこと、また今の時代に必要とされている賛美歌について語った。今の時代の賛美歌に必要とされていることについて中山氏は「信仰者としても賛美歌を作る者としても、神様を愛し、隣人を愛するという課題をいちばん大切なこととして受け止めたい（マタイ22・37-40）」と言う。 （次ページで、賛美歌における他の宗教、キリスト教会内、ジェンダーの壁、など） 壇上左から荒瀬、平良、中山の各氏 続けて中山氏は「神様に造られ、生かされている者として、互いに受け入れつつ、福音を証しする賛美歌が欲しい。一例として、冠婚葬祭などで、初めての人が違和感や疎外感を感じないで歌える賛美歌も作りたい」と述べた。 荒瀬氏は、「ほかの宗教との間だけではなく、キリスト教会の中でもものすごく壁を作りあってしまっている。自分たちの歌う賛美歌が、壁を作って自分たちの集団を守る役割をもつのか、それとも橋を作って分断されているところに橋をかける役割をもつのかが大きな課題だ」と指摘した。そして「時代によっては正統的教理を守ることが賛美歌の使命であったが、今我々が求められているのはむしろ壁を壊して、橋を作ること。そこに賛美歌の使命がある」「違いはあるが、『でも』一緒に生きているのだ、という『でも』の方を積極的にモチーフにしていきたい」と主張した。 平良氏は、従来の賛美歌が性的マイノリティーの人々や家庭環境に困難を抱えている人々を排除してしまう可能性があることを指摘した。平良氏が賛美歌を創作するようになったきっかけは、自分が男性同性愛者でありLGBTのクリスチャンが歌える賛美歌がなかったことであるという。「例えば、『男も女も』という歌詞があると、Xジェンダーの人やトランスジェンダーの人たち、あるいはインターセックスの人たちの中には、『この中に私は入っていない』と言う人々がいる」「賛美歌は、ともするとマイノリティーを排除する歌になっているかもしれないと思っている。排除しない賛美歌を新たに作っていきたい」と訴えた。 大会後半は、新しい賛美歌を発表し、共に歌う場として「ヒム・フェスティバル」が行われ、青山学院大学と関西学院大学の学生による創作賛美歌を参加者が声を合わせて歌った。青山学院大学の学生は、クリスチャンとクリスチャンではない人との垣根を超えたメンバーで構成されており、関西学院大学の学生は幅広い年齢層のメンバーで構成されていて、それぞれ異なる活動の現場から生み出された賛美歌を共有するひと時となった。 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-gzvfsqc2pxibszup/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-xsfghmxe708drtf5/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-2glcn9muxqhjaz71/

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【詳報】賛美歌が壁を作ってきた？ 荒瀬氏、中山氏、平良氏パネル 第25回日本賛美歌学会大会より

【詳報】賛美歌が壁を作ってきた？　荒瀬氏、中山氏、平良氏パネル　第25回日本賛美歌学会大会より