山形宣洋 – クリスチャン新聞

【特集フォーカス・オン】うちの親、牧師です② 牧師の子としてではなく、一人の信徒でいたい 参加者も、スタッフも、メッセンジャーも、必ずＰＫ（Pastor's Kid）やＭＫ（Missionary's Kid）。そうでない人は、ここにはいない。それが「マッシュポテト」の集まりだ。その名の由来は、「いろんな品種のじゃが芋も、皮をはがれ、砕かれ、混ざり合い、一つの料理として神様の前に捧げられる」ことから。参加しているＰＫのことを「マッシュ」とも呼ぶ。 「マッシュポテト大会」の特徴は、毎回決まったプログラムはないこと。今の参加者の親世代が参加者だった頃は、集合・就寝・起床・解散の時間すらアバウトだったこともあるそうだ。そして、「裁かない、裁かれない」が昔から変わらないルールだ。 「北海道マッシュ」で育ち、現在「関東マッシュ」の中心的働きを担う山形宣洋さん（ＫＧＫ［キリスト者学生会］主事）は、マッシュポテトを「自分が自分らしく居ていい場所」だと言う。「色々なものを背負いながら疲れているマッシュたちが、それを降ろして『もう疲れたんだよね』とヘロヘロになりながら集まれるような合宿として、用いられてきたんです」 山形さん ■しみついた〝ＰＫらしさ〟？ 今年の夏、「関東マッシュ」は、３回目となるサマーキャンプを行った。７教団から、おもに中学生の参加者と、青年のスタッフあわせて26人が参加した。 食事の時間、中学生が多いキャンプにしては珍しく、具材がかなり余っていた。そこでスタッフからかかった声は、、、、、 （次ページで、参加したPKやスタッフたちの感想、山形さんのコメントの続きなど） そこでスタッフからかかった声は、「ＰＫが出てるよ！」。笑いが起きたが、要するに、〝ＰＫらしさ〟が出た、つまり普段ＰＫがそれぞれの教会でどのように振る舞っているか、の現れだったのだ。自らを後回しにして遠慮することは悪いことではないが、もしも、自らを後回しにすることを普段から求められ、そういった行動が癖になっているのだとしたら……。しかしここは「マッシュポテト」。自分が自分で居られる、安心していられる場所だ。マッシュたちもおかわりを取り始めた。 プログラムの最後、マッシュたちが語った感想は次のようなものだった。 「僕の思っていたキャンプとは、良い意味で違って、本当に羽を広げることができた」「人生で一番遅くまで夜更かしした」「同じバックグラウンドを持つ仲間と語り合うことは本当に楽しい、ということに気づいた」「つらいことも感じないように心がけていたけれど、このキャンプで良い意味で再確認できた。『自分はこう考えてたんだ』というのが分かって、解決はしていないけど糸口は見つかった」 スタッフの一人は「今回は初参加が半分以上。普段のマッシュの〝安心できる感覚〟みたいなものがどれくらい出るだろうか、と思ったけれど、全然心配いらなかった。この雰囲気を心地よく思ってもらえたら。僕たちではなく神様が作ってくれると思います」 中学生が中心の参加者たちは、本特集アンケートの回答者層よりも若い。自分の置かれた環境や、そこから受けた影響について、言語化することが難しいかもしれない。漠然と抱いている違和感、悩みについて、自分の中だけに原因を探したり、環境要因に気づかなかったりしているかもしれない。しかし確かに、「マッシュポテトは安心できる場所」という趣旨の感想が複数人から出たことは事実だ。 「マッシュポテト大会」で ■〝自分〟で居たいＰＫのため マッシュポテトには、超教派ならではの利点もあると、山形さんは語る。「教団の交わりだと、お互いの親を知っているので、気にしながらとか、親の顔を立てないといけない、みたいなことがあったりする。超教派だと、そういうことはあまりない」 そして、スタッフも講師もＰＫであること。「痛みに寄り添いながらも、同じキリストを見上げていく。自分の境遇を恨んでいる人もいるかもしれないけれど、それを祝福として受け止められるような一歩を、このマッシュから始めていけたらいいな、ということも願っています」 ＰＫは、それぞれの教会において「ＰＫという存在」として見られているのかもしれない。一人の子どもとして、一人の信徒として、居ることができる場所を、「マッシュポテト」は提供したいのだという。 11281949 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-byrpvcfl3jmegwnv/

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全員ＰＫ。「マッシュポテト」 【特集フォーカス・オン】うちの親、牧師です②

全員ＰＫ。「マッシュポテト」　【特集フォーカス・オン】うちの親、牧師です②