次世代育成検討プロジェクト

JCE7（第七回日本伝道会議、2023年）の「次世代育成検討プロジェクト」は10月17日、中間報告会をオンラインで行った。 中西さん KGK（キリスト者学生会）とCCC（日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト）のクリスチャン学生95人に対し今夏行ったアンケート調査について、中西健彦さん（JECA・北栄キリスト教会牧師）が報告。「礼拝出席をやめたことがあるか」「信仰継承においてプラスになったこと（励まし）」「マイナスになったこと（信仰の危機）」などの設問から、信仰継承に影響を与える要因を分析した。 「礼拝出席をやめたことはない」回答者が６割あり、それの励みになった要因として、教会外の交わり、教会内の交わり、親の信仰、礼拝、デボーションなどの回答があった。「教会内における、縦のつながり（礼拝）と横のつながり（同世代の交わり）の相乗効果が信仰継承に重要」と中西さんは指摘する。 一方「礼拝出席をやめたことがある」「やめたことはないが形式的に出席していた」「現在出席していない」が合わせて４割あった。要因として、世俗の価値観の影響、日曜日の部活や塾、などと共に、教会内の原因も挙がったことにも注目。内訳に、親の態度、牧師との人間関係、奉仕の負担感などがあった。「若者の信仰の危機は、単なる怠慢ではない・・・ （次ページで、対策の具体例、教会内での実践、研究者からのレスポンスなど） JCE7のプロジェクトに関連して現代の多様な家族背景にも対応した『キッズ＆ファミリー ミニストリー ハンドブック』（サラ・フラナリー著、杉本玲子訳、いのちのことば社）が発売されている。 「若者の信仰の危機は、単なる怠慢ではない。複雑な現代社会をいかに生き抜くか、という真剣な模索の中で起こっている」と中西さんは指摘した。 これらを受けた対策の具体例を提案。教会では、青少年の抱える課題に関する学びや、柔軟な礼拝・集会の時間設定。家庭では、信仰についての話をし、ともに歩むこと。超教派団体では、キャンプなどへの参加の促し。個人では、多世代からの声掛けや食事への招待などを挙げた。 杉本さん 続いて、杉本玲子さん（新生連合・町田中央教会牧師）が、教会内での実践を報告した。アンケート回答者の95％がクリスチャンホームであることを受け、自身の教会内には2世代で出席する家族が16、3世代で出席する家族が4あることに気づいたという。青年向けリトリートなどのプログラムや、世代縦断の交流を促して教会が活性化していると報告。家庭的な雰囲気が、青年が教会を離れない理由だとして、エペソ2・19の「神の家族」を目指したい、と語った。 岡村さん 最後に、岡村直樹さん（東京基督教大学教授）が中間報告へのレスポンスをした。対象者のニーズに合わせた礼拝時間の設定は、奴隷たちが仕事を終えた後に礼拝していたことが使徒20章で書かれているように、聖書的根拠がある、と論じた。自身の研究「クリスチャンユースのラポール形成に関する質的研究」から、若者とのラポール（信頼関係）形成において、非言語コミュニケーションが重要であると指摘。笑顔、積極的に話しかける、相手に興味を示す、上から目線をとらない、裏表のない一貫した態度などを勧めた。 また逆に、年齢差が障害となっているとは研究からは考えにくい、と分析。「ユースとの壁は、思ったほど高くない」と励ました。 「次世代育成検討プロジェクト」は今後、アンケート結果を受けて、10人の学生へのインタビューを行い、信仰の成長と継承の実態について深く探ることを予定している。 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-7xfpui8katrpwxdf/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-CT8BWyL0DES36Awz/

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「若者の信仰の危機は真剣な模索」次世代育成検討プロジェクト中間報告