頌栄女子学院

頌栄女子学院 教諭伊藤 舞 神の栄光をほめたたえる「頌栄」を名前に冠した本校では「賛美と奉仕」を学院標語に掲げ、聖書の教えを徳育の基盤に置いています。 １日の始まりは礼拝です。賛美歌を歌い、みことばに耳を傾け、感謝と祈りを捧げます。基本的には毎日クラスごとにホームルームで礼拝の時を持ちますが、週に１日ずつ、中学生と高校生がそれぞれ、ホールに会して礼拝を捧げる「合同礼拝」があります。そして金曜日には、英語の賛美歌を歌い、英語で主の祈りや聖句を諳（そら）んじる礼拝を捧げています。 礼拝の中で生徒たちは、聖書日課に従ってみことばから与えられた思いを自分の言葉にして語ります。みことばの背景を調べたり、他の箇所とのつながりを考えたり、生徒自身の経験と重ねあわせて解釈したり……。 （次ページで、聖書の学びと礼拝、人間的成長などについて、約1300字） 生徒たちの語る言葉は、私たちの聖書箇所への理解を深めるだけでなく、語り手である生徒一人ひとりについても新たな気づきを与えてくれます。礼拝は、その学びや気づきを生徒たちと分かち合える、とても貴重な時間ともいえるでしょう。 礼拝室 なお、聖書日課は本校独自のもので、本校で聖書の授業を担当してくださる牧師の先生方によって毎年作成されており、学校のない日も含めて１年間、毎日の聖書箇所があてがわれています。また、毎年「前期・後期の聖句」として、短くも私たちの生活と深くつながる聖句が牧師先生によって選ばれ、掲げられており、毎日の礼拝の中で暗唱しています。 入学式と卒業式、イースターや花の日、そしてクリスマスなどには、ホールにて礼拝を捧げます。聖歌隊やハンドベルクワイアが礼拝奉仕を行い、その胸を打つ清らかで荘厳なハーモニ ーによって、より神聖な気持ちで礼拝の時を持つことができます。そしてイースターとクリスマスの礼拝の前には全校で献金を捧げ、社会福祉法人や国際人道支援機関、奉仕活動で訪れる施設など、生徒も交えて検討した、支援を必要としている場所に宛てて送っています。 また、学年ごとに行う校外学習、特に中学１年生のオリエンテーションキャンプや高校１年生のキャンプ「共に生きる」では、牧師先生も引率に加わり、聖書箇所をもとにした聖劇（中１）や「となり人」「タラント」をテーマに経験を分かち合うディスカッション（中１、高１）を行います。神様やみことばをより身近なものとして同級生たちと語り合うことは、生徒たち一人ひとりの人生や進路、生き方に大きな影響を与えていることでしょう。 一方、奉仕の心を育む取り組みとして、個人で行うボランティア活動を推奨しているだけでなく、ロングホームルームを使って各学年の段階に応じた奉仕活動を行っています。学年が上がるにつれ、活動内容を考案し実施できるようになっていく生徒たちの姿は、とても頼もしいです。他にも、１学年につき１人ずつフィリピンの里子を支援しており、クリスマスカードを贈りあうなどしています。 また、本校主催のワークキャンプでは、希望者を募って長野県の山田牧場にある「頌栄山荘」に３泊４日の日程で宿泊し、地域の特別養護老人施設を訪れて奉仕活動を行います。施設では、お年寄りの方々との交流、施設の清掃など、貴重な体験をとおして様々な学びがあります。また、このキャンプでは牧師先生による礼拝やディスカッションなども行います。大自然の中でクラスや学年をこえた素晴らしい友と出会い、その経験や学びを分かちあうことができるのも魅力の一つです。有志のキャンプではありますが希望者が途絶えたことはなく今年度で38回目を迎え無事に終えることができました。 本校での週に一時間ある聖書の授業は、聖書に書かれていることの学びだけでなく、人間としてのあるべき姿や生き方への気づきや学びであるように授業計画が立てられています。この授業方針が象徴するように、本校では生徒たちがキリスト教の教えを礎にした様々な活動に日々取り組むことで、賛美と奉仕の心あふれる人間として豊かに成長していくことを願っています。

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語り合いのなかで 礎が育つ 頌栄女子学院 学校特集③

語り合いのなかで礎が育つ　頌栄女子学院　学校特集③