FBI – クリスチャン新聞

玉川聖学院75周年記念平和講演会「混迷の時代に平和を語る（Civil Discourse in an Uncivil World）」が9月27日、東京・世田谷区の同学院で行われた。「civil」には「民間」のほかに「礼儀正しい」の意が、「uncivil」は「未開」のほかに「礼儀正しくない」という二重の意図があるという。 講師のジョン・S・ピストル氏は弁護士、元FBI（米・連邦捜査局）副長官、元TSA（米・運輸保安庁）長官で、玉川聖学院協力校の米アンダーソン大学元学長。米政府機関での要職の経験を踏まえつつ信仰に基づいて話し、対話による平和構築へと、同学院生徒・卒業生などを招いた。 ピストル氏 （次ページで、対話の実践、質疑応答など） 対話の実践として三つの提案をした。①9.11以後、オーバルオフィス（大統領執務室）でのテロ対策会議の経験から、「謙遜の力を取り戻すこと」。②チャーリー・カーク氏暗殺事件から、犯人が欠いていたこととして「人とその意見とを区別する勇気を持つこと」。③山上の説教から、「自分が人から言われたい言い方を模範として示すこと」 「イエスは歴史上最も平和をつくる者であった。平和をつくるとは能動的に関係を求めるということ。イエスの『わたしを誰だと言いますか』という問いは、罪に定めるわなではなく、考えさせるため。知らなければ知らないと言ってもいい、そこから一緒に歩んでいく」と証しした。 「対話とは、自分の意見を宣べ伝えることだけではなく、相手を聞き入れること。勝利や、画一、一色、みんな同じ、でなく『理解しあうこと』を求めるべきだ。礼儀正しい対話こそ、世界を良くする最も強い道具。いつか、ではなく今日から、社会、世界を変革し平和をつくる者になりませんか」と締めくくった。 質疑応答では、「『この人こそが正しい』のような論法が強まっているが、イエスに従おう」と勧めた。聴衆たちに「成長するために、自分が中心ではない、という考え方をすることを願っている」と語りかけた。 同学院長の安藤理恵子氏は、「質疑応答という対話で、この場で共に平和をつくってくださったことに感謝」と応答した。【間島献一】

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礼儀正しい対話が平和の道具 元FBI副長官ピストル氏、玉川聖学院で講演

礼儀正しい対話が平和の道具　元FBI副長官ピストル氏、玉川聖学院で講演