聖書の真理を幼少から教えよう 小池宏明 異端・カルト特集

嘘に騙されても思い込んだら否定できない

小池宏明氏


1964年生まれの私が、現在の世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に騙(だま)されたのは、40年も前になります。当時は、旧統一協会の教える原理講論で世界が統一され世界平和が実現すると本気で思い込まされていました。私よりも年配で旧統一協会に入っていた方は「統一協会は正統なキリスト教会だと思い込んでいた」と言います。
近年、文鮮明(ムン・ソンミョン)が死んだ後、メシヤになった妻の韓鶴子(ハン・ハッチャ)は、文鮮明は原罪を持って生まれたとか原理講論の時代は終わったなどと発言しているようで、滅茶苦茶な状態です。長年の現役信者たちは教えが変わっていく団体に見切りをつけるはずだと思ったら大間違いです。なぜなら、人間は自分がやってきたことを自分で否定することができにくい性質があるからです。
このような現実から教えられる教訓は、①移り変わる人間(あるいは偽メシヤ)の考えがベースになっている集団は、嘘(うそ)や偽り、不正や犯罪の温床になる、②若い頃に受けた経験や教育がその後の人生に大きな影響を与える、③変わることのない聖書の真理を幼少期から絶えず教え続けることの大切さを改めて認識しなければならない、ということです。
私は、多くの人々の労苦と主なる神様のあわれみによって、旧統一協会のコントロールから解放され、聖書信仰に基づいて救いの恵みを得た時に思ったことがあります。キリスト教界は本当の救い主イエス・キリストを信じているのに、どうしてこの素晴らしい福音を熱心に伝えないのだろうか、という素朴な疑問です。もちろん、キリスト教会は福音を伝え続けてはいますが、カルトや異端に騙されて奴隷のように行動している人々の活動量がはるかに大きいのが現実です。そして人間の心理を上手に利用して巧みな騙しのテクニックを多用しています。
私たちは、主の救いの恵みに感謝しながら、聖霊の助けをいただきつつ、信仰をもって、福音を伝え続けましょう。偽ものではなくて本ものをいただいているのですから。
(小池宏明=日本同盟基督教団社会局人格尊厳委員会カルト問題担当)




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