追悼礼拝の様子

第二次世界大戦敗戦から77周年。今年も「第28回英連邦戦没捕虜追悼礼拝」(同実行委員会主催)が8月6日、神奈川県横浜市保土ヶ谷区の英連邦戦没者墓苑で開催。関田寛雄氏(日本基督教団教師)が、同追悼礼拝で追悼の辞を述べた。関田氏が追悼の辞を述べるのは今回が最後となる。また戦争の傷の癒やしや和解のため、英国をはじめとする元捕虜や抑留者、その家族を日本に招く活動を続ける恵子ホームズ氏(アガぺワールド代表)が挨拶した。

関田氏は、「日本軍の残虐な取り扱いにより亡くなり、ここに眠る1800余人の勇士たちの霊に心から謝罪し、またその家族の上に天来の慰めがあることを祈る」とともに、「このような戦争は二度とあってはならない」と強調。ロシア軍によるウクライナ侵攻に触れ、「15年戦争中の日本とそっくりであり、国際間の信義を裏切る暴挙。日本政府は大国間の対立と憎悪を深める流れにくみすることなく、共生の文化を生み出す努力をすべきだ」と語った。また、広島原爆投下から77年目のこの日、「国連において圧倒的多数で採択された『核兵器禁止条約』に、被爆国である日本政府が正式に加盟国となるように」と強く要請した。

墓碑に花輪をささげる関田氏

恵子ホームズ氏は、「私たちはこれまで、520人以上の元捕虜や民間人抑留者とその家族の方々を日本にお連れした。訪問者は、この墓地での、帰還できなかった戦友のために、ささやかな追悼式もしてきた。日本人である私は、心のうちからの強い思いによって、太平洋戦争の犠牲者たちに謝ってきた。私たちが自分の過ちを認め、神に赦しをこう時、神は私たちを赦し、過去から解放してくださる」と語った。

挨拶する恵子ホームズ氏

同実行委員会代表の奥津隆雄氏は、28年間追悼の辞を語り続けてきた関田氏、英連邦墓地管理人で今年退職する小林賢吾氏、同追悼礼拝呼びかけ人の故・永瀬隆氏、齋藤和明氏、雨宮剛氏に感謝した。(詳細は紙面で)