【レビュー】『不安という相棒 四つのタイプとどう付き合えばよいか』

「そこまで心配する必要なんてないのに」と、誰かの言動にもどかしさを覚えたことや、こちらとしては真剣に悩んでいる場面でそう言われてしまったことが、きっと誰しもある。

不安を四つのパーソナリティー別に分類した本書は、冒頭で「不安は、素質と環境の影響が響き合ったもので、なぜ私たちが他者の不安にほとんど感情移入できないのかという疑問も部分的に説明がつく」と明瞭に教えてくれる。抑うつ性や強迫性といった特徴を、恋愛や宗教への関わり方など具体的な事例を交えて述べる本書は、厳しい語り口ではないにも関わらず、鋭く刺さるものがある。訳者もあとがきで書いていたが、四つのタイプ全てに「程度の差こそあれ、自分にも思い当たる節がある」と、気づけば親近感を覚えていた。得体の知れないものだった不安が、既によく知れているものに。「不安という相棒」と捉え直す時、前より負担のない距離感で、自分や誰かの不安に付き合える気がする一冊。

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