本紙提携の米国誌「クリスチャニティトゥデイ」が、和歌山県白浜町で自殺防止に尽力してきた藤藪庸一氏(バプ教会連合・白浜バプテスト基督教会)の働きに注目し、現地インタビュー取材を掲載した(取材・岡谷和作氏・英国ダラム大学博士課程)。その一部を抜粋する。
白浜取材:岡谷和作
藤藪庸一さんはこの30年、命を絶とうとする人々に神の愛を伝えてきた。

日本の南岸のリゾート地和歌山県白浜町を訪れる人のほとんどは、その砂浜といやしの温泉を目当てにして来る。だが、中には自殺願望を抱いてやって来る人もいる。
白浜にほど近いある教会で、電話の呼び出し音が夜の静けさを切り裂いて響く。「もしもし」と藤藪庸一さんが応答する。受話器の向こうでは、震える声がささやく。「たすけて……ください」。藤藪さんはキーをつかみ、車に飛び乗って夜の道を走り出す。目的地は三段壁。白浜海岸を見下ろす断崖絶壁だ。ここは日本で最も悪名高い自殺の名所の一つでもある。
ヘッドライトが真っ暗闇を照らす。そこに一人の人の姿が浮かび上がる。藤藪さんは車を降りる。地面をザクザクと踏みしめながら、目前の人影に向かって歩く・・・
続きはクリスチャニティトゥデイ日本語版〝日本の「自殺名所の断崖」から人々を救う牧師〟
自殺防止の実際、藤藪さんの歩みと献身、協力者や回復者の声など
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