キリスト教会福音派における性的少数者の理解について議論が起き、立場の異なる団体が相次いで設立された。

この状況を憂い、「第三極」として、福音主義神学に立つ教会どうしの対話と、教会と性的少数者のかかわりを模索する新たな団体「ドリームパーティー」が9月3日に設立された。

発起人は大頭眞一、久保木聡、賛同人は藤本満、水谷潔、西原智彦、岡谷和作の各氏。

同ホームページ(https://dreamparty.church/)では、「当事者また支援者のかたがた」、「保守的なかたがた」、「すべての福音派の方がたへ」それぞれに「悔い改め」や「お願い」のメッセージを寄せ、長期的な提案として、共同研究などの継続、緊急の提案として当事者を受け入れる教会間ネットワーク構築、対話のためのオンライン会議などを挙げた。

日本の福音派の中では、近年、性的少数者に関する論考や書籍が出版され、2021年に開催された福⾳主義神学会東部部会での講演を契機に、性的少数者理解についての議論や活動が活発化した。

今年7月14日には、性的少数者理解について、「聖書からの逸脱」を問題視する有志によって「性の聖書的理解ネットワーク」(以下、NBUS)が設立された。一方、それに反発する性的少数者や、その支援者などにより8月18日に「性の聖書的理解ネットワーク『NBUS』を憂慮するキリスト者連絡会」が設立された。両団体はそれぞれ署名活動を展開した。

「ドリームパーティー」の発起人らは、両団体やそれぞれに関係する教会の対話が困難となったことを憂い、「この膠着した状態に身を委ねることが、決して福音主義神学に立つ日本の諸教会にとって益とはならない」として新たな団体を設立したとする。

 

関連記事

「性の聖書的理解ネットワーク」に反論 「転向療法」への回帰を危惧  2022年8月26日

「性の混乱・逸脱に危機感」 有志ら「性の聖書的理解ネットワーク」設立2022年7月15日

 

「当事者不在」の議論から「当事者を愛する」歩みへ 『LGBTと聖書の福音』書評 水谷潔 2020年5月1日

LGBT反対派と肯定派の分岐点とは 福音主義神学会東部で藤本氏 2021年6月17日

まず当事者の声を 【フォーカス・オン】教会とLGBTQ① 2022年5月13日

変化した「罪」の自己認識(1) 【フォーカス・オン】教会とLGBTQ② 2022年6月4日

愛は条件付きなのか 【フォーカス・オン】教会とLGBTQ② 2022年6月4日

 

――――――――――――――――――――――――□

【お知らせ】★4月から週刊「クリスチャン新聞」がリニューアルしました!!★

☆新たな装い 今求められる情報を伝道牧会の最前線へ
☆紙面レイアウトを刷新 文字が大きく読みやすく
☆独自取材による特集企画で教会が今直面している重要テーマを深く掘り下げる特集企画
☆教会の現場の必要に応じた新連載が続々スタート
詳しくはこちらから → https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?page_id=34471
□―――――――――――――――――――――――――□
★「クリスチャン新聞WEB版 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/csdb/」(有料)では、1967年創刊号からの週刊「クリスチャン新聞」を閲覧、全文検索(1998年以降)できます。