リストラ社員の「クリスマス・キャロル」駅前で野外劇 劇団ぶどうの木 

「本郷台のクリスマス・キャロル」フィナーレ

 今年も神奈川県横浜市栄区のJR本郷台駅前広場で12月13日に開催された、栄区6教会共催による「クリスマスマーケット@SAKAE」。今年で5回目となるクリスマスマーケットでは、焼きそば、ポップコーン、ホットココアなどのドリンク&フードコーナー、バザー&グッズ販売コーナーなどの屋台でにぎわうと共に、ステージでは例年のごとく各教会がハンドベル、ゴスペルバンド、オルガンなど、クリスマスキャロルを奏でていた。

 だが、今年のステージで注目を引いたのが劇団ぶどうの木(田中博子代表)による野外劇「本郷台のクリスマス・キャロル」。脚本・演出は鹽野(しおの)佐和子さんで、ディケンズの「クリスマス・キャロル」を現代風にアレンジしたものだという。

 「北極からJR根岸線に乗ってやってきました」と、サンタが客席側から登場。肩をすぼめながら通りかかる会社員の河野にサンタが「メリークリスマス」と言いながらキャンディを渡そうとするが、河野はスルー。どうもクリスマスどころではないらしい。妻と娘とも会話がなく、隙間風が吹くような家庭で、何か言われると逃げてしまう自分…。会社ではうだつの上がらないダメ社員で、リストラを宣告される。車にはねられて、あの世とこの世の間をさまよう。その時、天使が現れる。

家族の間に隙間風が

 「俺には逃げることしかできない」とつぶやく男性。すると、天使はこう言う。「それです。今こそあなたの逃げ上手が役に立つ。神様は試練を与える時、必ず逃れる道も与えてくれる。もう一度やり直してはいかがですか?」

 それから4年後、「人生はやり直しができると信じて生きてきた」という河野は、娘の結婚式を迎えることに。舞台には十字架。ステージには河野の妻、そしてウエディングドレスの娘が河野とと共にステージの中央へ。そこに新郎が登場。4人は十字架を見上げる…。会場からは割れんばかりの拍手が起こった。

 野外劇でウエディングドレスの女性が登場するなど、思い切った演出だったが、「20分という短い中で、とにかくインパクトを与える劇にしたかった」と鹽野さん。家庭内不和、リストラという現代的な問題を脚本に込めながら、「神様は必ず逃れの道を備えてくださる、人生は必ずやり直せる、というメッセージを込めた」と語る。演劇を見た人には、少なくともこのクリスマスメッセージは届いたことだろう。

いろいろな屋台が並ぶクリスマスマーケット

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