「信仰継承」が波乱を呼んでいる。「統一協会」問題などの被害者救済に取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会は『統一教会との闘い35年、そしてこれから』(山口広、佐高信ほか著、旬報社、千650円税込、四六判)を緊急出版した。統一協会の実態や歴史、手法、政治との関係、などを解説するほか、9月に発表した声明など、各資料を収録する。声明は「宗教二世」を取り巻く、家庭崩壊、社会的支援の欠如も指摘する。親が子に信仰継承する自由とともに、子の信教の自由も問う。

 

プロテスタントを含む7人の異なる宗派の「宗教二世」を取り巻く環境や心情の実話を『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』(菊池真理子著、文藝春秋、千100円税込、A5判)はありありと描く。集会活動、勧誘活動、宗教内での「正しさ」で日々暮らし、外部を敵視し、世の中と切り離される。親は子が従順であれば愛するが、逸脱すると心身への暴力にまで及ぶ。恐怖で信仰につなぎとめ、思考停止となる。本書の2世は、それぞれ「自分の人生を生きたい」と親と異なる道を歩む。

 

「親が行っているから」「友だちがいるから」。それだけの関係をこえた、聖書の全体像の理解と人格的な出会いが重要になる。10代から始めるキリスト教教理』(大嶋重徳著、いのちのことば社、千760円税込、四六判)では教理を学ぶ意義を述べ、信仰の意味、その土台としての聖書、三位一体、性や恋愛、夫婦生活、罪、救い、聖化、教会、終末について、楽しいたとえを交えて語る。

 

信仰育成を、週一回の礼拝や教会学校だけにせず、家庭での教育という申命記6章に立ち返り、教会を再編成しようとする試みが世界で起きている。D6─教会と家庭をつなぐ次世代育成ミニストリー』(ロン・ハンター著、岩上真歩子訳、千430円税込、いのちのことば社、A5判)はその趣旨をまとめた。前半では親、家庭の影響力について、後半では多世代の働きを有機的にする教会のスタッフ編成について具体的にアドバイスする。

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