今年に入り、原発の運転期間の延長、原発再稼働、原発新設、など原発推進が加速している。ただ東電福島原発事故について問題は解決されていない。廃炉、汚染土、汚染水の取り扱いが危惧されている。

福島県キリスト教連絡会放射能対策室による放射能問題学習会の第50回が、3月16日にオンラインで開催された。課題図書『東電原発事故10年で明らかになったこと』(添田孝史著、平凡社新書、2021年=写真=)について、高橋拓男さん(ミッション東北・会津聖書教会牧師)、木田惠嗣さん(同・郡山キリスト福音教会牧師)が発表し、参加者で議論した。

同書は、科学ジャーナリストである著者が、事故調査書や各裁判記録を読み込み、東電原発事故の原因と全体像について明らかにした本だ。

高橋さんは、「事故当時は、自分たちのことだけで精いっぱいだった。この本を読んで改めて分かったことは、あの事故以上に最悪のことが起こる可能性が現実に存在していたこと。東日本全体が壊滅する可能性があった」と気づきを語った。

同書では、予測されていた大地震や津波への対策を拒んでいた東電の在り方を問う。9年先送りにしていた福島沖の津波計算を算出したのは2011年3月7日。その93時間後に東日本大震災が発生した。

木田さんは、同書について「政府事故調が国の責任を隠している証拠が出てきたことを問題視している」と指摘、、、、、

2023年04月09日号 02面掲載記事)
 
 

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