5月23日、雨の中本当に多くの人が全国各地から石川一雄さんの再審請求と無罪を勝ち取る為に、東京千代田区の日比谷野外公園で行われた「狭山中央集会」に参集した。

石川さんは、1963年に起こった女子高校生殺人事件の容疑者として逮捕され、一審では関与を認めたものの、控訴審では無実を主張。しかし、77年に無期懲役刑が確定した。2度にわたる再審請求の棄却後、94年に仮釈放され、2006年に3度目の再審請求を行い、現在に至っている。沢山の無実を証明する証拠があるにかかわらず、司法の欺瞞(ぎまん)がまだ石川さんに見えない手錠をはめたままの状態が続いている。

当日は雨と強風の中、元気な石川さんの姿に支援者の沢山の声援がとびかった。また、集会に先立って、キリスト者前段集会が神谷町にある聖アンデレ教会(聖公会)で行なわれ、各教派代表の挨拶、「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議代表の僧侶の連帯の呼びかけがあった。最後に、シスター細渕則子さん(マリアの宣教者フランシスコ修道会)が「私と狭山事件」と題して短い講演を行なった。ミカ書を読みながら、石川一雄さんと出会い、いろいろな気づきが与えられていることを、静かに確信をもって語った。(レポート・鳥井新平=日本基督教団近江平安教会牧師)

石川さん夫妻(写真提供=片岡謁也氏)
細渕則子さん