三浦綾子の初代秘書、宮嶋裕子氏による講演会が、「作家三浦綾子の生き様にふれて」と題して開かれた。5月26日西宮会場(兵庫県西宮市、なでしこホール)、27日大阪会場(大阪市、大阪クリスチャンセンター)両日、関西地区主催で開催した。

西宮会場では約160人、大阪会場では約250人の参加者が与えられ、両会場とも満員となり、聴衆は宮嶋氏のユーモアあふれるトークに魅了され、また三浦綾子の祈りの真実に感動し、2時間があっと言う間に過ぎた。

宮嶋氏は、1948年生まれ、北海道育ちで、以前より交流のあった作家三浦綾子の初代秘書を70年より務め、72年結婚を機に退職。1年と9か月という短い秘書期間であったが、その後も親交はつづき、99年3月、二代目秘書が召天し、再び秘書となる。しかし、同年10月三浦綾子が召天し、その後は、綾子氏の夫、光世氏の秘書となり、光世氏の執筆、各地での講演を支えた。

宮嶋氏は、ソプラノ歌手でもあったが、あごのがんに侵され、左半分のあごの骨を切除、今は人工のあごの骨によって、食事もトークも可能となったが、並大抵の苦労ではなかったと容易に推測できる。人工のあごを入れて、トーク、そして歌を披露できることは、医学界でも非常に珍しいことであった。写真は、宮嶋氏が大阪会場で、歌われた時のものである。

宮嶋氏は、今回の来阪の時に、近放伝(近畿福音放送伝道協力会)の朝日放送ラジオ番組「福音の光」の特別ゲストとして、収録(11月オンエア)を終え、同協力会の月刊誌「福音の光」に、24年1月からの連載を予定している。

三浦綾子読書会は、現在、阪神間で8か所ほど行われているが、大阪では2か所にとどまっている。今回の講演をバネとして、大阪でも新しく数か所で、読書会が立ち上がる兆しがあり、宮嶋氏も体調の許す限り、関西地区での講演も多くなるだろう。三浦綾子文学を通して、キリストの福音が大いに伝えられていくことに期待する。(レポート・若竹孝行=ぶどうの木キリスト教会小阪チャペル牧師)

2023年06月25日号   03面掲載記事)