ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が7月13日に編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。

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私たちの友人でウクライナ西部の教会の牧師であり、現在チャプレン(従軍牧師)として活動しているアレクサンドル・カリンスキー師の手記より (いろいろと考えさせられてしまいます。)
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前線を訪問するときに感じる最大の喜びは、同胞、仲間に会うことだ。サーニャはずいぶん痩せて白髪になってしまった。
「お茶をいれてゆっくりお話でもしたいのですが、捕まってしまう恐れがある。あなたにはとても感謝しているが、一刻も早くここを離れたほうがいい。上陸地点の背後には陣地があり、彼らは常に私たちを援護しています。ドローンに見つかれば興味深いことになる。街を抜けると一本道があります。それは死の道です。」
彼は注意深くそう指示した。周囲の絶え間ない爆発音は彼にとってすでに普通のことになっており、彼は冷静にグラウンドゼロでの生活について語ってくれた。私たちは機材を手渡し、彼らのために祈り、抱きしめてその場を去った。
彼は自分を英雄だとは思っていないが、実際には英雄なのだ。私たちの仲間とのすべての出会いは、信じられないほどの喜びだった。加えて、前線にいる人々とのこうした触れ合いはすべて、私たちを永遠に変えてしまう。元自動車整備士、ITスペシャリスト、アーティスト、建設作業員、彼らが武器を手にして戦車に乗り、自分たちの家族と国を守って戦っている。
そして彼らは皆、福音だけに与えることができる生気、確信、強さ、希望を必要としている。すべての罪を打ち砕き、死に打ち勝ったキリストを信じてこそ、死に立ち向かうことができるのだから。これこそが、信じられないほどの勇気と超自然的な行動を起こす力を生みだすのだ。
戦争は人を霊肉ともに疲労困憊(こんぱい)させる。私は、ほとんど全員の兵士たちの目にこの疲労を見た。そして神の存在だけが、天的な力で霊魂を豊かにすることができることを再認識した。だからこそ、私たちは皆、天の希望とキリストの福音を何よりも必要としているのだ。

アレクサンドル・カリンスキー

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船越真人・美貴