クリスチャントゥデイ提訴判決 「信仰秘して」教会潜入 事実認定
株式会社クリスチャントゥデイ(矢田喬大代表取締役社長)が「名誉を毀損した不法行為」を行ったとして、根田祥一氏(クリスチャン新聞顧問、異端・カルト110番編集顧問)に対して起こした損害賠償請求訴訟の判決が4月22日、東京地裁で言い渡された。原告が請求した110万円及び利息のうち、50万円及び利息の支払いを命じたが、それ以外は棄却された。
同訴訟はブログサイト「ダビデ牧師と共同体を考える会」に投稿された5つの記事(2019年)のリンクを、被告が自身のフェイスブックおよびツイッターに転載・拡散したことについて、原告が名誉棄損を訴えたもの。
同ブログは、ダビデ張を「再臨のキリスト」とする、原告クリスチャントゥデイを含む共同体(以下「共同体」)をめぐる内容。同ブログ作成者は、21年に原告から名誉棄損の損害賠償を提起され、ブログ内容や表現について謝罪文を作成し和解した。しかし今回の訴訟では、当時精神的に追い詰められたブログ作成者が和解を急いでいたことが考慮され、口頭弁論の元信者の証言とも対照。謝罪文の存在がブログ全体の真実性を否定するものではないと判断された。
原告が侵害部分としたのは5つのブログ記事の10個所について。そのうち、原告組織の労働実態などに関する5個所については、記事の作成時から相当前の事実であり、記事作成時の原告の経営状況や組織体制の事実を推認する証拠はない、などとして原告の主張を認めたものの、2003年から07年における労働関係法規の軽視、信奉者の寄付、借財や奉仕を頼る傾向については真実性を認めた。
一方、原告の主張を退けた5個所に関しては、07年に「共同体」の宣教師の不正入国があったこと、また原告構成員が、その活動の便宜のために「共同体」への信仰を秘してウェスレアン・淀橋教会に通い、従順である態度を示して、峯野龍弘牧師の信頼を得ていたことを認めた。
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