レポート:紫園香(キリストの平和教会音楽伝道師)

今回は、所属する「キリストの平和教会」から音楽伝道師として遣わされ、7月5〜7日能登で被災地支援コンサートを開催して参りました。親善大使を務めるハンガーゼロの協力もあり、仮設住宅でのコンサートも実現しました。

東京から車で片道8時間、機材や支援物資を乗せて夫(クリスチャン医師)と共に出掛けました。5日夕刻なんとか無事現地到着。翌6日は朝から「七尾聖書教会附属光の子保育園(永井仁志理事長)・母と子のコンサート」、午後輪島市門前町の仮設住宅集会所にて、また翌7日七尾聖書教会(梶山献一師)礼拝堂にてコンサート礼拝、計3回の被災地支援コンサートを捧げることができました。それぞれの会場は満場の方が集われ、食い入るように聞いてくださり、大合唱になるシーンも。いづれも豊かな交流のひとときとなりました。人の心を潤わせ励ます、賛美の力を改めて痛感しました。

輪島市門前町仮設住宅コンサート

七尾の町中にはまだまだ手付かずの倒壊建物があり、水が湧き出して止まらない場所も。さらに輪島に向けて移動していくと、ナビには林のように「!」マークが現れ、路面状況の悪さが一目瞭然です。崖崩れ、家屋崩壊、道のひび割れ、段差、墓石などがズレたり散乱したままで、地震の凄まじさと恐ろしさが胸に迫りました。コンサートを終えて穴水町を通過する時、悪路のため車の後輪タイヤがパンクしてしまい、夜、修理してくれる場所を求めてさまよう事件もありました(結局富山県氷見まで戻り修理)。

地割れで波打ったままの道が多い

実に半年経っていても復興にはまだまだ時間もかかりそうで、長期間の支援が必要になっています。出会った和倉温泉の方は「再開するのは2026年になる」とはっきりおっしゃいました。それまでどう生活を繋いでいかれるのか。福島・熊本の被災地に伺った時と同様、いやさらに長期支援の必要性を痛切に感じました。

町中に多くみられる倒壊建物

輪島市門前町にある門前聖書教会のトラス先生ご夫妻は、昨年5月に赴任され約半年後にこの大地震に遭遇されました。教会員4人の小さな教会に、突然世界中からボランティアが集まり、七尾聖書教会も含め被災地の教会は支援の中心的場所として大きく用いられています。が同時に疲れも溜まっておられ祈りが必要です。

トラス先生ご夫妻は門前仮設住宅の方々と親しい交流を続けられ、「教会スローガン『地域に根ざす教会』を、神様が地震を機に為してくださっている」と輝く笑顔で仰ったのが心に残りました。また仮設住宅にはHさんというクリスチャンのおばあちゃまがおられ、自然な形で伝道しておられました。これらの忍耐強い耕しのお陰で、私は仮設住宅集会所で行われたコンサートでもはっきりと福音を語ることができました。そしてキリストの平和教会・岩本遠億牧師の著書「366日元気が出る聖書のことば」を120冊配布することがかないました。

私たちの人生に嵐が吹き荒れる時、まさかの出来事に遭遇する時、地が揺らぎ日常が揺らぐ時、私たちを支えてくれるものは何でしょうか。キリストの愛以外にありません。心を尽くして音楽と証でそのことをお伝えすることが、私の召命です。命のある限り捧げ続けられますように。能登を始め被災地復興は長期支援が重要です。また伺いたいと思います。

「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこに行ってもわたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしはあなたに約束したことを果たすまで、決してあなたを見捨てない。」(創世記28:15)