第30回 英連邦戦没捕虜追悼礼拝 和解の務め キリスト者にある
「英連邦戦死者墓地」(神奈川県横浜市)では8月3日、「英連邦戦没捕虜追悼礼拝」が行われた。今年で第30回目となる。同礼拝実行委員会はこれにあわせ、文集『平和と和解の継承―関田寛雄先生・雨宮剛先生 追悼記念集』も発行した(8月11日号05面参照)。関田氏は1995年の第1回から追悼の辞を述べてきたが、2022年12月に死去。雨宮氏は同礼拝の呼びかけ人の一人で、23年1月に死去した。
今回の追悼の辞は、関東学院大学准教授・宗教主事の豊川慎氏が務めた。
豊川氏は、日本の教会も積極的に戦争に加担する罪を犯したゆえに、自身もキリスト者として、記憶を継承し、悔い改め謝罪し、和解の務めを果たさねばならない、と語った。
第二コリント5・18、19から、和解の概念はキリスト教の根本であり、「主イエスは私たち一人ひとりに和解の務めを委ねられた。これも追悼礼拝の原点」と述べた。
「この追悼礼拝は、日本の過ちを直視し、戦争責任についての熟考を促す。私たちには平和と和解のため奉仕する務めがある」と参列者に呼びかけた。
イギリス大使館付武官・海軍大佐のコリン・ウィリアムス氏は挨拶のなかで、今日の戦争で、日本で落命した3万6千の捕虜の記憶が「汚されている」とし、「政治的レトリックの喧騒(けんそう)に紛れることなく、平和を希求するために懸命に捧げられた彼らの人生の証人となりましょう」と呼びかけた。
実行委員会学生代表の奥津恵さんは、、、、、、
奥津恵さん
礼拝後は、イギリス区、オーストラリア区、カナダ・ニュージーランド区、インド・パキスタン区それぞれの追悼碑と、オランダ人も葬られている納骨堂を順に巡った。各国と日本の代表者、そして日本の高校生とが共同で献花し、握手を交わした。
献花する豊川氏とウィリアムス氏
文集の入手については、実行委員会代表・奥津隆雄氏(飯能ホライズンチャペル牧師)まで。Mail: takaookutsu414@icloud.com
写真は全てCWGC(英連邦戦死者墓地)にて撮影
【間島献一】
(2024年08月18・25日号 03面掲載記事)