異端・カルト対応を情報交換　JECAC秋の集会

福音主義に立ちキリスト教の異端・カルト問題に重荷を持つキリスト者によって設立された「日本異端・カルト対策キリスト者協議会」（JECAC）による秋の集会が11月18日に都内で開かれた。統一協会（世界平和統一家庭連合）の現状、韓国異端・カルト研修旅行報告、クリスチャントゥデイ裁判報告、参加者の情報交換、今後のJECACの取り組みが話された。

　冒頭、今年8月に逝去した村上密牧師（アッセンブリー・七條基督教会元牧師）の足跡を振り返った。1980年代、アッセンブリー高槻教会牧師時代から、統一協会信徒の救出に取り組んでいた。当時の救出活動では、両親などの要望を受け、隔離しての「保護説得」が主流だったが、村上氏は同協会信徒を拘束せず、心開いて理解してもらう手法を取ったという。

　一般メディアでも報道された京都聖神中央教会の牧師による信徒強制性交事件では、犯罪行為、警察案件であると明確にして、牧師逮捕につながった。2015年ころの神社への油散布事件も情報収集をして通報。異端問題のみならず、教会のカルト化についても取り組み、ブログなどで発信してきた。今回の集会参加者からも、働きを共にした人や交流を持った人から「徹底的に被害者を支え、犯罪行為がある時に裁判で訴えるのは不信仰な行為ではないと言っていた」「キリストのからだ、教会を愛していた」と村上氏を回顧する声があった。

　クリスチャントゥデイ裁判については、被告の根田祥一氏（クリスチャン新聞顧問）が報告。自身が顧問を務める「異端・カルト110番」記事を参照し名誉棄損の損害賠償で敗訴部分はあったものの、クリスチャントゥデイを含む共同体のメンバーが「ダビデ牧師が再臨のキリスト」であることを信仰していたことなどが事実認定されたことを強調した。

2024年には別件で、クリスチャントゥデイは根田氏に対し、「クリスチャントゥデイの母体は破壊的カルト」などとしたツイッター上の投稿をリツイートした行為を名誉毀損だとして訴訟を起こしている。根田氏は、「『破壊的カルト』とはテロ行為などを指すのではなく、人権侵害をもたらすものとして、社会心理学者、宗教学者が使用してきた言葉だ。真実相当性の立証を目指している」と話した。

統一協会の現状については、日本基督教団カルト問題連絡会世話人の齋藤篤牧師が話した。

韓国異端・カルト研修旅行報告では、参加者からは、「韓国でタラッパンは依然として異端・カルトとして認識されている」「日本の統一協会の解散命令への関心が高かった」などの声があった。質疑応答の中で、異端カウンセリングの学び、韓国の教会における、カルト化と異端認定のプロセス、健全な弟子訓練の在り方などが話し合われた。

最後の情報交換では、教団ごとの取り組み、グレーな団体の対応、などに関心が寄せられた。春秋の集会に加え、より短いスパンでの学習会実施の可能性なども検討されている。

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