辺野古新基地建設と東村・高江の
ヘリパッド建設は表裏一体の問題
三上智恵監督プロフィール:1995年、琉球朝日開局時に沖縄へ移住。キャスターを経てドキュメンタリー番組制作に携わる。2012年に制作したTV番組および劇場版「標的の村」は、数々の作品賞を受賞。現在はジャーナリスト、映画監督のほか沖縄国際大学非常勤講師として沖縄民俗学を講じている。5月に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)を上梓している。
映画「戦場ぬ止み」(いくさばぬとぅどぅみ) 監督:三上智恵 2015年/日本/129分/ドキュメンタリー 配給:東風 2015年5月23日(土)より東京・ポレポレ東中野にて緊急先行上映中。7月11日(土)より沖縄・桜坂劇場、18日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開。Url http://ikusaba.com/
5月27日から6月5日までの予定で翁長雄志沖縄県知事が訪米。普天間基地問題は「辺野古移設が唯一の解決策」ではないという沖縄県民の〝民意〟を米国に伝える。辺野古新基地建設に反対する人たちの現在を追ったドキュメンタリー映画「戦場ぬ止み」が7月中旬公開前の5月23日から東京・ポレポレ東中野で緊急先行上映中。時機に適ったことと喜ぶ三上智恵監督に話を聞いた。
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絶滅危惧種アオサンゴや “ジュゴンが棲む海”大浦湾辺野古を、ダンプカー350万台分の土砂で埋立てようとしている。アーティストCoccoのナレーションが、大浦湾からキャンプシュワブメインゲート前での座り込みリーダーのヒロジさんたちへと話を進める。ヒロジさんはベトナム戦争の時から無抵抗の反戦市民運動に関わってきた。85歳の文子おばぁは、15歳のとき米軍が投げ込んだ手榴弾と火炎放射器の炎で母親、弟とともに大けがを負った。立ちはだかる警官らに押しつぶされそうになっても、「こんなことぐらいでは窒息なんかしない。火炎放射で焼かれても生き続けてきたんだから」と笑う…。
ヒロジさん、文子おばぁたちの戦後の生き様を通して描かれる〝沖縄〟。だが、2人だけではない。前作「標的の村」で紹介された高江のゲンさん一家も辺野古へ応援に来た。 「高江と辺野古の問題は、本当に表裏一体なんです。SACO(日米特別行動委員会)合意で高江の北部訓練場を返却するというが、使わなくなったから新たにヘリパッドを造ろうというだけの話。普天間基地移設といって辺野古には軍港設備を持つ新たな基地を造り、オスプレイ100機も配備して訓練場にするという。だけど、訓練場として高江も辺野古も使いにくいということになれば、海兵隊の部隊は来なくなる。ですから、全く一緒の問題です」という。
高江のゲンさん家族だけではない。恩名村からは澄江さんと寿里ちゃん母子が毎週駆けつけ、座り込みや、カヌーに乗って抗議する。「恩名村の住民は完成半ばの射撃訓練場を一致団結して89年に撤去させた。数少ない勝利です。寿里ちゃんは当時2歳でした。お父さんは亡くなりましたが、子どもたちのために座り込んで戦った思いを継いでいる。戦後70年と沖縄という問題ではなく、20年から25年のスパンで次の世代へ(政府は)丸投げしてしまっているんですよね」 【遠山清一】


