米国トランプ大統領周辺が、「信教の自由」の名のもと、「統一協会」(現・世界平和統一家庭連合)を擁護する可能性がある。元クリスチャン新聞記者の三浦三千春さんが憂慮し、本紙に、日本のキリスト教会への提言を寄せた。
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トランプ大統領が「統一協会“擁護”」しないよう日本の教界から訴えかけを 統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の霊感商法や高額“献金”、信者の家庭崩壊などが大きな社会問題となり、政府はついに宗教法人法に基づく解散命令請求に踏み切りました。これは、信教の自由侵犯ではなく、明白な詐欺行為への当然の法の適用だと、多くの国民が受け止めています。
しかしここに来て、一部報道によると、統一協会側が米国・トランプ大統領を通じ日本政府に、「統一協会への解散命令は、信教の自由の侵害」と主張し、解散命令を撤回させようとする動きがあるとされています。トランプ氏の新設した「宗教庁」長官の、親・統一協会的な動向も取り沙汰されており、極めて憂慮すべき事態と思います。
アメリカでは、統一協会による組織的な詐欺や社会的被害の実態は、日本ほど顕在化していないので、福音派を含む一部教界において、統一協会に関する深刻な問題への理解が乏しい現状があると思います。そのためトランプ氏が、「保守的価値観を擁護するキリスト教団体の一つ」という誤解のもとに統一協会を支持し、日本の司法判断に政治的圧力をかけかねないリスクが現実のものとなっていると思います。
この状況に対し、私たち日本のキリスト教諸教団・諸団体は、歴史的経緯としても深いつながりを持つ、アメリカの諸教派・諸団体に対して切実な状況を伝え、トランプ氏に働きかけてくれるよう要請してはどうでしょうか?
日本の各教派や団体が、アメリカにおいて自教団と深いつながりを持つ教団・団体に、声明など効果のあるかたちで要請を行うのです。その要請は、日本における統一協会による被害を説明し、それが日本宣教の大きな阻害要因になっていることを訴え、教派や団体などから大統領に、「統一協会擁護をせず、日本に圧力をかけない」よう働きかけて欲しいと訴えるのです。
また、米国キリスト教メディアへの投書・掲載なども大きな影響力があるのではないでしょうか?
日本福音同盟(JEA)から米国福音同盟(NAE)に訴えかけるなどもなされるべきことではないでしょうか?
統一協会が「キリスト教」と自称したことで、多くの一般の人々に大きな誤解を与え、日本社会におけるキリスト教全体の信頼を大きく損なってきた事実を、事例とともに具体的に訴えてはどうでしょうか?
クリスチャン少数派の日本において、「キリスト教の名のもと」に発せられた偽りの教えと搾取行為が、どれだけ人々を福音への接近から遠ざけ、宣教への妨げになってきたか。その被害を最もよく知る私たちこそ、声を上げなければならないのではないでしょうか?
またキリスト教がマジョリティーであるアメリカで、米国の教界が声を上げてくれれば、大統領の心にも響くのではないでしょうか?
トランプ氏と親和性が高いと思われる福音派や、ペンテコステ・カリスマ派の団体が、アメリカのつながりある団体に働きかけるのは、ことに意味が深いのではないでしょうか?。
伝道困難の日本の現状を理解して、この件でも助けて欲しいと訴えるのはどうでしょうか?
イエス様の十字架の死は、メシアとして失敗の結果だから20世紀の新たなメシア(文鮮明)が必要で正統なのだという全く非キリスト、冒涜的な反キリストの根本教義に立ちながら自らを「キリスト教」と偽り、キリスト教の信頼感を僭用して多くの人々を騙し信者にして詐欺行為に走らせ、のみならず、キリスト教情弱の日本人に、正統なキリスト教にまで疑念を抱かせて、求道から遠ざけ、宣教の停滞状況に陥っていることを、アメリカの兄弟姉妹に知ってもらい、祈りを求める良い機会かもしれません。
イラスト=東ぬりえ イラストAC www.ac-illust.com
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