【この人この証し】九死に一生を得たこの命はすべて主のために ハンガーゼロ常務理事 近藤高史さん

 家業の印刷会社を25年務めた後、55歳からハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)スタッフとして、飢餓に苦しむ人々への支援や災害支援などの活動で、国内外を飛び回ってきた近藤高史さん。それから約10年後の昨年5月、アフリカのザンビアに滞在中、大動脈乖離(かいり)という死亡率が極めて高い病気を発症。だが、奇跡的に九死に一生を得た。「神様からもらった命」と語る近藤さんは、「残りの人生はすべて主のためにささげたい」と語る。

無事帰国。自宅で妻の千絵さん(右)と共に

突然、胸に激しい痛みが襲う
 昨年5月26日深夜2時頃、翌日からの会議に備え、ザンビアの地方都市ンドラのホテルの一室で休んでいると突然、胸にドンという激しい痛みが襲った。痛みは10分、1時間たっても治まらない。3時間何とか我慢し、朝5時に隣の部屋にいる日本人スタッフに「病院に連れて行って」と助けを求め、病院に車で運んでもらった。知らせを受け、28日には、日本から妻の千絵さんと長男の史門さんが駆けつけた。
 病院では、処方された鎮痛剤のおかげで痛みは和らいだ。だが、診断は「大動脈乖離を伴う心筋梗塞」。ンドラの診療所では手に負えない重篤な病状だった。次の治療の選択肢として⑴日本に帰国し手術、⑵首都ルサカで手術、⑶南アフリカに搬送し手術、の三つを検討。うち⑴は20時間以上のフライトに耐えられないとのことで、移動時間が短い⑵が選択された。
 29日、ルサカの病院へ。車や飛行機、救急車で移送中、近藤さんの意識は低下し、会話も困難な状態に陥った。ルサカの病院に到着後、さらに精密検査をしたところ、乖離がすでに足の付け根まで到達している非常に重篤な状態であることが判明。大動脈を置換する緊急手術が必要だった。しかし、ザンビアではこの手術ができる医師も設備もないため、南アフリカの都市ヨハネスブルグの専門病院へ緊急搬送することになった。
 一刻の猶予も許さない状況だったが、保険料支払いの関係でエアアンビュランス(医療用航空機)の手配に時間がかかった。史門さんや南アフリカ日本大使館の医務官などの尽力で、何とか前払いなしの特例で離陸が許可され、30日に搭乗。翌31日午前中には手術が開始され、動脈を人工血管に置換する手術など、すべて成功した。「執刀医は、南アフリカだけでなく南半球一の心臓外科医だった。病院との交渉は大使館付医務官が助けてくれた。保険はハンガーゼロが医療費・入院費に関しては無制限のものに入ってくれていたおかげで、全く心配なかった。本当に綱渡りで、明日はどうなるか分からない状況の中、神様は全部先回りし、備えてくださっていた」と感謝した。

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