
「本当に大切なことは、どのようにしたら相手の心に届くのか」。インターネットやSNS、AI…新しい技術が生まれるが、変わらない思いがある。
戦後、教会や伝道集会では、映写機を担いで各地を巡り、映画や映像を通して聖書のメッセージを伝える働きがあった。その歴史を現代的な表現で伝える展示が、愛知県瀬戸市の Gallery naniで7月26日まで開催されている。企画展「風と霊 ― ひとりの人・ひとつのメッセージ・ひとつの方法」だ。作家は、同ギャラリーを主宰する長老教会宣教師で美術家のピーター・ベイクラーさん。

商店街の通りに面したギャラリーの窓側は、瀬戸市が撮影地になった映画「青銅の基督」(1955年、カンヌ映画祭出品)関連資料があり、地域の人々との接点になっている。ギャラリー内壁面には、映写機の各部を印象的に捉えた写真。目に付くのは床で四方八方にフィルムを吹き流している物体。まさに「なに(nani)?」と質問が生まれそうだ。

映写機や8ミリフィルムは、愛知県名古屋市の日本長老教会・礎(いしずえ)キリスト教会澤口文雄牧師が使用していたもの。妻の妙子さんとともに、各地で映写機を担いで伝道していた。すでに夫妻は亡くなっていたが、教会物置に保存されていたものを、ベイクラーさんが譲り受けた。「それ自体が、貴重な歴史資料。しかし時間をかけて気づいたのは、夫妻が人生を懸けて伝えようとしたメッセージ、そしてそのために用いた創造的な方法だった」と話す。
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