東日本大震災から15年、被災地に通い続けた福音歌手の森祐理さんが、津波で被害を受けた宮城沿岸各地の集会で歌った。その思いをレポートする。

§ §
東日本大震災15年の節目を迎え、宮城県内4か所にて「愛と希望のコンサート」が開催された(主催:宮城三陸3.11東日本大震災追悼記念会実行委員会)。いずれの会場も、多くの被災者が集まってこられ、当時を振り返りつつ、新しい未来へと踏み出す恵みの時となった。
3月10日は、東松島市にある「野蒜市民センター宮戸支所」を会場に「宮戸スプリングコンサート」として開催。ここは、日本三景の一つである松島の美しい海岸沿いにあり、「奥松島」として親しまれてきた景勝地だが、地震と津波によって1000人以上の方々が亡くなった地域でもある。
最初に野蒜市民センター長のご挨拶があり、続いてゴスペル亭パウロ氏による防災落語。
防災士の資格を持つパウロ氏ならではの震災に関した創作落語が披露された。
その後、森祐理が歌い出すと、自然に手拍子が起こり、盛り上がったひと時に。しかし後半は泣きながら聴かれる方も多く、まだまだ心の癒しが必要だと感じた。

アンコールは、この地域の支援を続けている横山あかり牧師(アッセンブリー・東松島アメイジング・グレイスセンター)とパウロさん、そして宮戸支所スタッフの櫻井さんと手をつなぎ、「花は咲く」を熱唱。櫻井さんは、『宮戸の皆さんが、感動して涙をぬぐっていた姿を目にして、開催出来て良かったと私も嬉しくなって熱いものが込み上げました。』とコメントされた。終演後、1人のご婦人が「私も娘を震災で亡くしました。娘はクリスチャンだったので、その命の分まで神の愛を伝えようと、自宅を伝道所に改装して働きを始めています。今日は使命を新たにさせられました。」と語られた。
3月11日は、保守バプ・気仙沼第一聖書バプテスト教会を会場に、石巻・気仙沼・南三陸エリアの教会が合同しての追悼記念会。地域の教会からだけでなく、関西や関東など遠方からの方々、被災者の方々も多く来られていて満席。久しぶりの再会を喜び合う姿も見られたが、同時に会堂には15年を追悼する厳かな雰囲気が満ちていた。

14時開会で司会者の挨拶の後、ゴスペル亭パウロ氏による落語「堪忍袋」「稲村の火 濱口梧陵物語」の2演目が披露された。震災が発生した14時46分には、サイレンと共に全員起立して黙祷。献花の後、坂本牧裕牧師(ジャパニーズ・ゴスペル・チャーチ)による祈りが捧げられた。

森祐理コンサートでは、「しあわせ運べるように」など8曲を賛美。その中で、震災発生当時、避難所で歌った様子を取り上げたニュース動画を流すと、多くの人が涙をぬぐっていた。「悲しみを通った人は優しくなれる。明日も共に生きてくださるイエス様と、天の故郷を見上げながら歩んでいってください」と語り賛美すると、窓から太陽の光が射しこみ、会場中が主の愛で包まれているような感動を覚えた。会場教会の嶺岸浩牧師による閉会の言葉、そして長年中心的に活動を導いてこられた中澤竜生牧師(キリスト聖協団仙台宣教センター長)からもご挨拶があり、恵みの内に終演となった。

12日午前中は、石巻市にある「新蛇田第一集会所」にて支援コンサート。ワイズメンズクラブの清水氏の司会で始まり、ここで支援活動されておられる川上直哉牧師(日基教団・石巻栄光教会)はじめ宮城三陸のスタッフの方々も一堂に会し、被災者の方々への歌の救援物資を届けた。ある男性は、病気で声があまり出なくなっていたが、ふり絞るように「ありがとう」と言われ、それを聞いた奥様が涙される場面もあった。

午後は、南三陸にある「旭ヶ丘コミュニティセンター」でのコンサート。被災者同士の間でも、家を失った人、失わなかったけれど被害が大きかった人、被災状況の違いで様々な問題もあるそうだが、コンサートでは、皆が手をつなぎ、共に笑顔で歌った。この一連の最後とあって、90分に及ぶコンサートとなったが、100歳のおばあさんもが、生きる希望をもらったと喜んで下さった。

15年の節目は、過去を胸に刻みつつ未来へとつないでいく大切な分岐点だと思う。被災者の方々、また支援を続けてこられた方々、この震災と復興支援に関わられたすべての方々に、主の深い慰めの御手があり、新たな一歩を踏み出されるよう祈り続けている。
(森祐理記)
こちらの記事もオススメです
【4月まで!特典付キャンペーン中 記事すべてを閲覧可能、充実した定期購読がお得です】
新規で紙版、電子版、併読版いずれかの年間購読をお申込みの方にもれなく
話題の書
『平和へのはじめの一歩』(朝岡勝著/いのちのことば社刊)を進呈! 詳しくはこちら
牧会・宣教に役立つ情報、
多様な連載を掲載!
紙面、ウェブを刷新し、さらに充実しました。
電子版:速報(無料)・詳報(有料)記事を随時掲載、紙面ビューアー ※バックナンバー閲覧可能
紙版:月2回発行
■購読料
紙版(送料込)
月額1,226円(税込)(オンライン申込・限定クレジットカード支払いのみ)
6か月6,756円(税込) ※本紙代が10%お得です
年額13,512円(税込) ※本紙代が10%お得です
電子版
月額900円(税込)
年額10,300円(税込) ※毎月払いより約5%お得です
紙・電子併読版(紙版の年額+2500円で電子版併読が可能です)
月額1,400円(税込)
年額16,000円(税込) ※毎月払いより約5%お得です
■新ご注文受付サイト
