
日本に住む海外ルーツのクリスチャンは、日本人クリスチャンと同数いるという。宣教協力への期待はあるものの、知り合い、交流する機会は少ない。この連載では、海外ルーツの教会の働き、集う人々、日本人とつなぐ働きをする人々を取材し、理解を深め、宣教協力につなげたい。また、無知ゆえの偏見や排外的な見方を乗り越え、日本社会でキリスト教会が希望の光となる証しを伝えたい。初回は近年のこのテーマでの教会協力の取り組みを概観する。
目次
日本の全教会的宣教、牧会課題
―多文化共生教会形成の本質は、単純にさまざまな外国人がいる教会を目指すことではない。つまりそれは、単なる同時通訳サービスを提供する以上の働きである。むしろ、外国人にしろ、そうでないにしろ、さまざまな生活歴と背景を持った地域の人々のストーリーに出会い、互いに愛し合ってキリストの下に一つとなる試み―
この言葉は2023年の第七回日本伝道会議の基本資料『宣教ガイド2023』の「第9章 教会形成」にある指摘だ。現在日本では全国的に外国人が急増している。一部の「国際教会」「外国語教会」に止まらない全教会的なテーマとなりつつある。
法務省出入国在留管理庁3月の発表「令和7年末現在における在留外国人数について」では、在留外国人は412万5千395人(前年末比35万6千418人増、9・5%増)で、過去最高を更新した。

上図の通り、外国人数は、中国、ベトナム、韓国、フィリピン、ネパール、インドネシア、ブラジル、ミャンマー、スリランカ、台湾の順で多い。しかし、注意したいのは、韓国、ブラジルは、1年間の増加率がマイナス(韓国-0.5、ブラジル-0.9)であることだ。この二国からの在留は近年停滞または減少している。一方ネパール、インドネシアの増加率は近年高い。この2年間で、ブラジル人人口数を超えた。ミャンマーも近年30~50%増で迫っている。スリランカは24年まで10位外だったが急増している。各国主要宗教は、キリスト教だけではなく、仏教、イスラム教など多様だ。日本で初めてキリスト教に出会うという場合もあるだろう。世界的にイスラム人口が増えている。日本社会でもイスラム式の礼拝所や土葬墓地の建設で摩擦が起きた。キリスト者がどう向き合うかも問われる。
「地域の人」の国際化と日本化
互いに出会い、愛し合えるか
『宣教ガイド2023』「第2章 増える在留外国人と在日外国語教会との宣教協力」では、日本人の人口減少に注目。「日本に住む『人』が替わってきているとするなら、日本の教会は、どうするべきなのかを、改めて考える必要がある」、「外国語教会でも、すでにその子弟の日本化が始まっている。だからこそ、日本の教会に期待したいことは、彼らとつながる心を持つこと」と勧める。つまり、増える外国人、外国語教会の課題は、宣教課題であり、牧会課題であるのだ。
外国語教会とのネットワーク化

昨年9月には、「日本で、母国語で礼拝を捧げている教会(Ethnic Church)との宣教協力」をテーマに、「BLESS JAPAN×JEA宣教フォーラム2025」(URLblessjapan-jea2025.org/)が開催され、宣教協力、難民問題、宣教ツール、などのセミナー、合同賛美集会などが開かれ、交流の機会となった。一部資料は先述のURLで入手できる。
BLESS JAPANは、2014に、在日フィリピン人教会連合によって始まった集会。ここに多様な民族が参加し、18年には、エスニック・ミニストリーズ・ネットワーク・ジャパン(EMNJ)が立ち上がった。この間、日本福音同盟(JEA)では宣教委員会内に異文化宣教ネットワーク部門を編成し、EMNJなどの働きと協力している。25年は、BLESS JAPANと宣教委員会共催となり、日本の教会と外国語教会の協力を推進。大規模集会以外にもエスニックフェローシップランチなど、平時の交流も進めている。
次回以降では、外国語教会や日本の教会との協力の在り方をルポし、協力の可能性をさぐる。【高橋良知】
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