以下は、本紙提携の米国誌「クリスチャニティトゥデイ」の電子版記事(7月22日)を翻訳した。
福音派のイスラエルに対する見方が過去最低に低下
ハーベスト・プルード
イスラエルとハマスの間の継続的な対立、世代間の分断、孤立主義が、アメリカのクリスチャンの見方を再形成している

写真 作者: たかゆこ photo AC
ピュー・リサーチ・センターの新たな調査によると、福音派クリスチャンも、アメリカ国民の間で高まるイスラエルへの否定的な感情から無縁ではないことが明らかになった。白人福音派は依然として他の宗教グループよりもイスラエル政府を支持する傾向が強いものの、イスラエルとハマスの戦争勃発以来、その支持率は急落している。
イスラエル国民に好意的な見方をしている白人福音派の割合は、2024年から10ポイント低下し、74%となった。イスラエル政府に対する見方はさらに低下しており、好意的な意見を持つ人の割合は、2024年の71%から約57%に減少している。対照的に黒人プロテスタントでは、イスラエル国民に好意的なのは半数、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の政権に肯定的な見方をしている人はわずか30%にとどまっている。
イスラエルに対する感情の悪化は、パレスチナの大義に対する好意的な感情の高まりによるものではないようだ。実際、開戦以来、福音派によるパレスチナ自治政府やパレスチナの人々への見方は比較的変わっていない。
ピュー・リサーチ・センターによる今回の調査結果は、2023年10月7日に武装組織ハマスが引き起こした攻撃で死者が出たことに端を発する長い紛争のさなかに示されたものだ。この攻撃では、イスラエル南部で約1,200人が殺害され、250人以上が人質として連れ去られた。それ以降、ガザ地区保健省やイスラエル治安当局の発表によると、イスラエル軍の軍事行動により7万人以上のパレスチナ人が死亡している。
現在進行中の暴力に対する反応が、この支持低下傾向の一因となっている可能性はあるが、福音派に関しては、終末論をめぐる世代間の違いから孤立主義的な感情の高まりに至るまで、さまざまな要因が関与している可能性がある。また、一部では反ユダヤ主義の台頭も指摘されている。
米国の宗教研究者ライアン・バージ氏は、イスラエルへの支持が揺らいでいる背景には、教会がこの問題をどのように語るか(あるいはそもそも取り上げるかどうか)という変化があるかもしれないと指摘している。
「キリスト教シオニズムの最大の推進者といえば、宗教右派の古参指導者たちだった」とバージ氏は述べ、リバティ大学の創設者で保守派政治活動家のジェリー・ファルウェル・シニア氏、テレビ伝道師でクリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワーク(CBN)創設者のパット・ロバートソン氏、そして著名なテレビ伝道師でありシオニスト団体「イスラエルのためのキリスト教徒連合(CUFI)」の創設者でもあるジョン・ヘイギー氏の名を挙げた。
「ファルウェル、ロバートソン、ジョン・ヘイギー、そしてシオニズムの影響下で育ったベビーブーマー世代の福音派とは異なり、新しい世代の福音派はそうした教育を受けていない」とバージ氏は語る。「そのため、彼らはキリスト教シオニズムの起源や、それを裏付ける聖書的な正当化について神学的な理解を持っていない。こうした問題についてどう感じるかは、自分たち自身で判断するしかない」
同氏は、こうした「沈黙」こそが、中東情勢について議論することに対し、政治的立場を問わず大学生の間で高まっている居心地の悪さを説明しているのではないかと考えている。
「多くの若い福音派の人々は、なぜ自分たちがこれほどまでにイスラエルを支持するのか、その理由を完全には理解していない」と彼は言う。「彼らにとっては、納得のいかないことなのだ」。宗教心の低下を追跡調査してきたバージ氏は、多くの教会が単に教会の存続を図り、幅広い人々にアピールしようと努めるあまり、イスラエルやキリスト教におけるユダヤ人の役割といった、重みのある、あるいは扱いにくい議論を避けている可能性があると指摘した。
1960年代から近年まで、キリスト教シオニズムは福音派の多くの伝統に深く根付いていた。まだ成就していない終末預言においてユダヤ人が果たすべき特別な固有の役割が神によって定められているとする「ディスペンセーション主義」の神学は、著名な福音派指導者たちの間で支持され、数多くの書籍の題材となり、多くの教会で教えられてきた。
『Covenant Brothers: Evangelicals, Jews, and U.S.-Israeli Relations(契約の兄弟:福音派、ユダヤ人、そして米・イスラエル関係)』の著者であり、ルーメン・センターの所長を務めるダニエル・ハメル氏によれば、「祝福」を基調とする神学もまた広く支持されてきた。創世記12章3節に基づくこの見解は、ユダヤ人の祖であるアブラハムに対し、神が「あなたを祝福する者を祝福し」、その敵を呪うと語った約束を、現在も有効なものと捉えるものである。
「今日、福音派にとってこれが具体的にどういう意味を持つかと言えば、ユダヤ人とイスラエルを祝福すべきだということだ。現代のイスラエル国家はユダヤ人の国であり、それゆえに福音派の支持に値すると考えられている」とハメル氏は説明する。
しかし、若い世代の間ではこうした見解が薄れつつあると彼は見ている。その背景には、カルヴァン主義の人気が高まっていることや、有力な神学校が「契約神学」の方向へ傾いていることがある。契約神学は、教会を神がユダヤ人と結んだ契約の継続と見なし、終末論における現代イスラエル国家の重要性をそれほど重視しない立場をとる。
とはいえ、福音派の見解の変化は、単により大きな文化的・政治的潮流によるものかもしれない。
「30年前は文化全体が親イスラエル的であり、福音派がそうであったのもその一因だった」とハメル氏は述べた。「今日でも状況は同じだが、ただその向きが逆になっているだけなのだ」
共和党支持者の間では、海外紛争への関与に対する幻滅が広がっており、イスラエルへの資金援助に疑問を抱き始めている可能性がある。
「かつて共和党はタカ派の政党であり、積極的に関与し、世界中に手を広げる姿勢をとっていた」とバージ氏は指摘する。しかし、ナショナリズムやポピュリズムが台頭する中、戦争の終結を公約する政治家たちが有権者の共感を集めるようになっている。
ハメル氏は、現在進行中の戦争や死者数への懸念が、福音派の見解に影響を与えている可能性があると考えている。「過去3年間にわたる凄惨な戦争により、多くの人々がイスラエルという国や、イスラエル政府が米国と本当に同じ価値観を共有しているのかどうかについて、再考を迫られている」
中東和平に取り組む非営利団体「テロス・グループ(The Telos Group)」の事務局長トッド・デザーレッジ氏も、ピュー・リサーチ・センターの調査結果は、イスラエルの軍事行動に対する米国社会の広範な懸念と合致していると述べている。
「多くの人々は、必ずしも自らを孤立主義者と位置づけているわけではないが、中東で続く終わりのない戦争に対しては、強い疑問を抱いている」とデザーレッジ氏は語る。
ピューの調査によると、50歳以上の米国人の大多数はイスラエルに対して好意的な見方をしている一方、若年層では支持が低下している。18歳から29歳の米国人でイスラエルの人々に対して肯定的な見方をしているのは、わずか32%にとどまりまる。個別の事例や専門家の見解によれば、若いクリスチャンの間でも、中東紛争に対する見解が不透明であったり、あるいは否定的な傾向があったりすることが確認されている。
「宗教と民主主義研究所(Institute on Religion and Democracy)」の所長マーク・トゥーリー氏は、若者が米国とイスラエルの関係をどう見ているかについて、懸念を抱いている。彼は、若いクリスチャンを含む不満を抱えた若い男性の間で、反ユダヤ主義的な傾向が強まっていることに心を痛めている。
こうした傾向の一因として、タッカー・カールソン氏やキャンディス・オーウェンズ氏といった保守系メディアの著名人、あるいは著名な反ユダヤ主義者であるニック・フエンテス氏などが表明する反ユダヤ的な感情が挙げられるかもしれない。これらのインフルエンサーはいずれも福音派ではないが、トゥーリー氏は、カールソン氏やオーウェンズ氏を支持するクリスチャンを数多く目にしてきた。
またトゥーリー氏は、自身の教会の若い男性たちから耳にする反ユダヤ主義的な言説やステレオタイプに対し、どう対処すべきか苦慮している牧師たちの声も聞いている。
福音派の大多数はそうした見解を抱いていないとトゥーリー氏は述べつつも、次のように付け加えた。「米国のキリスト教シオニズムは危機に瀕していると言えるだろう。なぜなら、彼らの主張は新しい世代には届いていないと思われるからだ」
クリスチャニティ・トゥデイの記事。許可を得て翻訳しています。クリスチャニティ・トゥデイの日本語版記事(※)はすべてこちらでご覧いただけます。※主に日本関係の記事
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