【キリスト教学校特集③】人間や、神様には沈黙がある。 国際基督教大学

 人と遜色なく会話できるChatGPTなどが「対話型AI」とも呼ばれる昨今。かねてから、学びの中心に「対話」を掲げる学校がある。国際基督教大学(ICU)学長・岩切正一郎さんは次のように語る。「対話、そして多様性と批判的思考。この三つをICUのリベラルアーツはすごく大事にしています」。広く、深く、自由な学びをしていくリベラルアーツ。「時代を先取りしていたと私は思うのですが、1953年の献学(建学)時からリベラルアーツ教育を取り入れ、2008年からは一学部一学科制です。他の大学では学部、学科に分かれるところの多くを一学科が網羅しています」

岩切さん


 物理学や教育学、音楽など31の専修分野があり、入学からの2年間、学生たちはそれらを縦横無尽に学ぶ。3年次に行われる専修分野選択も、もし主専攻・副専攻(メジャー・マイナー)を選択すれば、その組み合わせは930通りもある。学生たちは実際に学ぶ中で、入学前に各分野に対して抱いていたイメージと現実との違いに時に気づかされながら、自らの意思で選び取っていく。


 ICUのリベラルアーツの柱となる「対話」だが、AIとの対話と、人との対話、その違いはどこにあるだろうか。「対話は、意見の違う人同士が一つの主題について話すことで成り立っています」。目の前にある問題が、別の誰かの視点から見れば違って見えたり、意見を出し合う中で、一人では行き着くはずのなかった新たな理解が与えられたり……。「学部・学科ごとに分かれていた場合、周りも同じことをやっているから、違いが見えづらいこともあるかもしれません。ICUの場合は、隣にいる人は自分とは全く違うことをやっている人たち。背景も国籍も多様だからこそ、対話は生まれやすい構造になっています」・・・

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