【ルポ】読まずに「読書会」へ参加してみた 安心して本の入り口に

定評の本を読んでみたい。しかし、一人で読むのは大変。あるいは読んだ本を分かち合う相手がいない・・・。そんなとき、フラットな立場で参加できる読書会が読書のハードルを下げ、通読の励みになる。

キリスト教書店、オアシスお茶の水店(東京・千代田区)では、昨年から定期的に読書会を開いている。3月13日夕方は、『放蕩する神-キリスト教信仰の回復をめざして』(ティモシー・ケラー著)の読書会3回目。

全世界でベストセラーとなった本だ。しかし、恥ずかしながら、記者は未読。恐る恐る、読書会の扉を開けた。

はぎちゃんが司会

すでに数人の人たちが、席に着いており、迎えてくれた。お茶の水クリスチャン・センターに通っている人、別の読書会に参加していた人など、異なる背景の人たちが集っていた。

この読書会は、日本G&M文化財団が提供する、JSU Book Clubの提携で実施している。

JSUとは、Just Show Up の略で、「ただ来るだけ」という意味。その場で読み合わせて感想を言い合うスタイルだ。『聴くドラマ聖書』を提供している日本G&M文化財団らしく、オーディオブックを聞きながら、本を開き、目と耳で読む。

まずは聴く


司会は、オアシスお茶の水店店長で、動画番組ぶんでんチャンネルパーソナリティーのはぎちゃん。

本日の読書個所は、第3章「罪とは?―罪の再定義」だった。

はじめに声優の安定感ある朗読をスピーカーで聴く。

それぞれ、文章をじっと目で追いながら、聞き入ったり、マーカーを入れたりしていく。

一人ではなく、皆で読むという環境があると、読書に集中できる。

感想を語り合う作法

読書会は全体で1時間のプログラムだ。今回は一人2分で感想を言い合った。

まずは名前を名乗り、

・全員が同じくらいの長さの発言をする。パスしてもいい。

・学んだこと、同意できなかったことを話す。

・主語は「私たち」ではなく「私」。自分の意見を話す。

・分かち合う内容のページ数を言う。

・質問があったら、読書会の後に。

といった簡単なルールで、心理的な安全性を互いに確保し、短い時間ながら、本の内容と応答を聞き合えた。

率直な感想

本書で扱う放蕩息子(ルカ5章11〜32節)と言えば、弟のエピソードがメインと思われるが、本書では、兄について、同じ分量で記述していく。3章後半では、兄への言及の方が多いほどだ。

律法的で「道徳派」の兄、自由奔放で「自己発見派」の弟、それぞれの問題を掘り下げる。映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」や「アマデウス」の登場人物たちとも重ねられ、兄、弟の人物像が輪郭をもってくる。

読書会の感想では、

・自分の兄弟関係に重なる。

・「正しすぎる」ことが人を傷つけてしまう。

・兄も弟も、父から離れていた。

・「いい子」であることも父への反抗となる。

といった本書への共感もあれば、

・兄への批判が厳しすぎる。

・教会に行っていれば救われているのではない。

・奉仕で評価するのはどうか。

といった率直な疑問や発展的な考察があった。

放蕩息子という短いエピソードを全7章で語る本書の続きが気になった。

読書会を始めるには

同読書会は、月二回、5月まで開催する。継続が推奨されるが、部分参加も可能だ。

JSU Book Clubでは、多数のオーディオブックをそろえ、3人以上で登録して読書会を開くことができる。詳しくはJSU Book Clubホームページへ。

教会や学校、友人、家族、社員・団体の研修など、様々な形で利用できそうだ。

新学期、新年度が始まる季節。時代は激動で流動的だが、本で、心と時代を見る目を養いたい。

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