日中国交50年を迎えた今年、友好ムードの影は薄い。ウクライナでの戦争開始は、国際的なバランスを崩し、「台湾有事」の緊張が高まった。北京五輪時には開会式当日にスポーツミニストリーによって祈祷会が開催。スポーツ宣教とともに、弾圧下にある教会を覚える会ととなった。3月にはインターネット上の宗教活動が禁止されることが報じられた。10月には習近平氏が異例の共産党トップ三期目を実現した。その一方で徹底した感染対策を講じた「ゼロコロナ」政策に反発する抗議運動が中国各地で起き、体制批判にまで及ぶ市民の不満の声があらわになった。
「香港を覚えての祈祷会」は、青年を中心としたメンバーに運営が継承。同祈祷会の軌跡や論考が『夜明けを共に待ちながら―香港への祈り―』(教文館)として刊行され、6月に出版記念会が催された。同祈祷会のメンバーで各地で中国や香港の教会について講演する松谷曄介氏は、8月の講演会で、日本からできることとして、中国、香港出身の宣教師、信徒らとの交流、青年・信徒らの交流、神学教育での交流、情報共有を勧め、「共に祈り、賛美し、礼拝する。これが『壁』を乗り越える最高の方法」と励ました。
★回顧と展望 2022 ① ロシアのウクライナ侵攻 非難と祈り
★回顧と展望 2022 ② 安倍元首相銃撃殺害
★回顧と展望 2022 ③ 東日本被災地で教会も帰還・開拓
★回顧と展望 2022 ⑤ LGBTQ理解は依然混迷
★回顧と展望 2022 ⑥ 「アジア2022」全アジアで宣教・神学教育・教会協力考える
★回顧と展望 2022 ⑦ 沖縄「復帰」50年 「本土並み」はいまだ
★回顧と展望 2022 ⑧ 水平社宣言100年 差別される人々に希望
