日本聖書神学校

日本聖書神学校 校長神保 望 日本聖書神学校は、終戦後最初に創立された伝道者養成校です。１９４６年創立ですので、来年には80周年を迎えます。主の御心に適う働きであることを祈求しつつ、これまでに800人近くの伝道者を宣教地へ送り出しました。感謝です。神学校創立時から日本基督教団認可神学校として伝道者養成に取り組んで来ましたが、キリストの御体なる一つの教会（全体教会）であることを重んじたことにより、様々な教派・教会から献身者を受け入れており、夜間に学ぶ超教派神学校としての一面も重要な特色の一つとなっています。 神学校のチャペル 神学校の使命について、創立者の一人である岡田五作牧師は次のように書いています。「終戦直後、廃墟の中に生まれ出た本神学校は、何ものにもまして日本伝道が常に祈りの主題となっているはずである。 （次ページ、戦後設立した神学校の使命、聖書の土台について、約1100字） もちろん、伝道のためならぬ神学校のあろうはずはない。しかし、われらは祖国の敗戦、否、かかる戦いの生起したことその事が、われらの祖国に対する伝道奉仕の怠慢の故であったことを痛感して、一切の外的復興の先決問題として同胞の救霊を切願し、会堂の復興に先行する必須条件としての福音の役者の起こらんことを祈求して創始されたのである」。 第二代校長を務められた岡田牧師が書いているように、先の大戦に突入したこと、その後国内外に多くの犠牲者を出し各地が廃墟と化したこと。戦争による悲惨な出来事は、キリスト者に託された福音宣教の使命に対して十分に応えられなかったことに起因すると理解しました。そこで福音宣教に邁進（まいしん）し切れなかった自らの罪を悔い改めつつ、神の執り成しを祈り求めた先人たちは、戦後復興の第一の取り組みとして福音を宣べ伝える有為な伝道者の養成を実現すべく日本聖書神学校を創立しました。 爾来（じらい）約80年に及ぶ戦後日本の社会は、価値観の多様化や相対化が進んだことにより、過去には想像すら出来ないような複雑化した問題が表面化しています。地域紛争や国家間の戦争、民族・宗教間の対立、さらには社会的格差によって深まる分断が国境線を越えて世界中の至る所に及んでいます。 こうした世の現実を目の当たりにする時、希望が見えない閉塞感に苛（さいな）まれるのではないでしょうか。しかし日本聖書神学校に与えられた福音の役者たる伝道者養成の使命は、創立時から何ら変わることなく優先順位の第一番目として常に大切にされて来ました。たとえ立場上の違いから争いが生じたり戦争による衝突が繰り返されたとしても、本当に大切なことは何であるのか、この問いに対する答えに窮したり迷いが生じることは決してありません。十字架と復活のキリストがもたらされた福音には神の愛が満ちており、こうした福音の内実が聖書には明確に証言されているからです。 四万冊所蔵の図書館 日本聖書神学校は、親しみを込めて「聖書神学校」と略称で呼ばれることがあります。その名の通り、日本聖書神学校は創立時から聖書をしっかりと学ぶことに注力して来ました。そのためにも神学校チャペルでささげる礼拝を重んじていますし、語るのみならず鎮まって聖書に聴くことの重要性を確認し合っています。また聖書に証しされた福音を正しく受け止めるためにも立証祈祷会での祈りを通して霊性を豊かにされる機会を持っていますし、教室・図書館における学習環境を整備することで各神学生に示された信仰的・社会的課題に取り組みつつ自ら学び続ける基本的姿勢を確立するための充実した教育プログラムを組んでいます。

日	月	火	水	木	金	土
	1	2	3	4	5	6
7	8	9	10	11	12	13
14	15	16	17	18	19	20
21	22	23	24	25	26	27
28	29	30	31

「伝道者養成」が第一の使命 日本聖書神学校 学校特集⑤

「伝道者養成」が第一の使命　日本聖書神学校　学校特集⑤