神学校特集

愛知県の牧師家庭に生まれた東賢作さん（30）は、パンク・ロックに夢中になり、信仰から離れていた−。01年１月15日のこと。東名阪道を車で走行中、突然大きな音がしてアクセルがきかなくなった。一瞬パニックに陥ったが、道路わきに停車。その瞬間、10トントラックが後部に突っ込んだ。「気がつくと僕は血だらけで立っていて、グチャグチャになった車を見ていました。両車とも、廃車になるぐらいの事故でした」。病院へ向かう救急車の中で、「陰口や、親を親とも思わなかったことなど、それまでの罪が走馬灯のように浮かんできて、思わず、悔い改めの祈りをしていました」。そして次の日、８年ぶりに聖書を開いた。「巻末をめくったとき、昔父が僕にプレゼントしてくれたヘブル11・1の御言葉と、日付が記念に書いてありました」。87年１月15日−。事故と同じ日付だった。「当時から、神様は僕のことを覚え愛してくださっていた！ 神様の大きな御手を感じ、主イエスを改めて救い主として受け入れました」 献身を決意したのは、ヨハネ21・15〜17、イエスとペテロによる「わたしを愛しますか」の３度のやりとりから。「原語のギリシャ語では、１、２回目、イエスはアガペの愛で尋ねているんです。ところがペテロはフィレオで答えている。３回目、イエスはフィレオで尋ね、ペテロも答える。ここに、ペテロの『あなたの無条件の愛に相当するほどの愛は、私にはありません』という砕かれた心を見ました。私も、いつ神様を『知らない』というかわからない弱い者ですが、主が私に対してもそう言ってくださるのか、と胸打たれました」 東さんにとって、神学を学ぶとは。「神様の愛と恵みの深さを、聖書全体から知り続けること。聖書を語らせていただくことは、畏れ。本当に神様がそう言っておられるのか、へりくだって尋ね求め続けていく必要を感じています」 現在、父・正明さんが牧会するバプ宣教団・知多のぞみキリスト教会で、音楽を用いた伝道に携わっている。10年後は、教会の少ない知多半島南部に、開拓伝道をしていきたいと願う。 献身を迷う信仰の後輩へ−。「Ⅰコリント1・26〜28。自分などふさわしくないと考える人もいますが、ふさわしいから選ばれるのではなく、選んだ人を、主が恵みによって整えてくださる。そのことをお伝えしたいです」

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大事故で感じた神の御手 主が選び整えてくださる 東 賢作さん

大事故で感じた神の御手主が選び整えてくださる　東賢作さん