【ルポ】宮城沿岸を縦断 15年“間”の思いを巡る

2011年3月11日の東日本大震災発災から15年。記者は10日から12日にかけ宮城県を訪れ、仙台市をはじめ、岩手県に隣り合う気仙沼市から、福島県に隣り合う山元町までを巡った。

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仙台市の「エマオ」で。カレーライスを囲み、笑顔とともに思い出を語り合う、当時のボランティアたち

 10日の夜、仙台市にある日本基督教団東北教区センター「エマオ」には、震災当時のボランティアワーカーが集まっていた。エマオには発災から8年間、「東北教区被災者支援センター・エマオ」が設置されていた。そこを拠点に活動したワーカーたちが思い出を共有する「リユニオン~再会~」が、被災者支援センター・エマオの後継「日本基督教団東日本大震災被災者支援小委員会」により行われた。
 作業を終えてエマオに帰ってきたワーカーたちを、温かい食事で迎えた食事ボランティア「食ボラ」がふるまうカレーライスを囲みながら、記録写真を上映。ZOOM参加のメンバーとともにシェアリングの時をもった。曜日ごとに設定された献立のため、食事の匂いと曜日感覚が結びついていた、皆が心に傷を負って愛を失い、ごみの分別ひとつで裁きあったことも……当時のエピソードがつい最近のことのように詳細に語られる一方、当時学生で現在は子育てをしている者も。それぞれの15年間が分かち合われた。
 「リユニオン」はこれが最後の開催だが、地域の人と協力して開いている〝夏祭り〟を今後の再会の場にしたい、との呼びかけがあった。

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気仙沼市で行われた「愛と希望のコンサート」

 11日は宮城県最北端の気仙沼市へ移動し、保守バプ・気仙沼第一聖書バプテスト教会で行われた「愛と希望のコンサート」へ。福音落語家のゴスペル亭パウロさんと、福音歌手の森祐理さんが出演した。ここでも食事の交わりには笑顔があふれ、しかしコンサートは涙に包まれ、そして皆が笑顔で帰っていった。

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名取市と太平洋を一望する、熊野那智神社の「見晴らし台」

 12日の朝、仙台市の南隣、名取市の熊野那智神社では、神道・仏教・キリスト教の合同行事「東日本大震災合同慰霊祭『明日への祈り』」が行われた。実行委員は同社宮司の井上幸太郎さんと、日本基督教団・名取教会牧師の荒井偉作さん。仏教供養は舘寺規弘さん(名取市、円満寺住職)が「導師」を、神道神事は井上さんが「祭主」を、キリスト教祈祷は荒井さんが「司式」を務めた。荒井さんはローズンゲン聖書日課の2011年3月12日の箇所、イザヤ66章12~13節とヨハネ14章18~19節と祈祷文を朗読し、参加者一同とともに「キリエ・エレイソン」をウクライナ民謡の旋律で繰り返し歌った。

津波と同じ高さの、名取市の慰霊碑。奥の建物は閖上港の施設や店舗など。この場所は閖上の住宅街だったが、災害危険区域条例により、もう住居の建設はできない

 その後、参加者の一部は海岸沿いの閖上(ゆりあげ)地区に移動。かつての住宅地の中心にある慰霊碑の前で、賛美をささげ、「東北教区3.11わたしたちの祈り2026」を交読した。

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「千年希望の丘」の2号丘で。ここもかつては住宅地
中浜小学校遺構。右上の青い標示が津波到達高

 その後、記者は沿岸を南下。全14の避難丘からなる岩沼市の「千年希望の丘」、避難者のいる屋上にまで波が迫った山元町立中浜小学校の遺構などを巡った。福島県に入ると、企業誘致で活気づく地区と、国道の通過しか許されない地区の対比が鮮明だった。震災は15年前の現象でなく、15年間、人々の中で続いている事柄だ、との思いが巡り来た。

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