日本を代表する教会音楽ミニストリー、ミクタムの五十周年に合わせ、その歩みとセミナーなどの内容をまとめた、『賛美と礼拝 セミナーBOOK』(いのちのことば社)が出版された。販促の帯にある「すべての礼拝者に贈る」とあるとおり、礼拝に携わる者たちにとっての必読書であると同時に、これからの時代を切り拓(ひら)く、次世代の奉仕者にとっても、これまでの日本のワーシップの歩みを理解するための文献として大いに用いられていくと思われる。
「聖書から学ぶ『賛美と礼拝』」の章で、リバイバル運動において音楽がもたらす役割は大きく、大衆性、垂直性を持つ新しい賛美が生まれ、それによって未信者も教会により関心を寄せる可能性が指摘され、さらに「現在多くの人々に親しまれている歌の要素を賛美の中に取り入れるならば、教会はもっと大衆に親しまれるものとならないだろうか」と問われている。
教会音楽、特にいわゆるプレイズ・アンド・ワーシップ(賛美と礼拝)の分野におけるミクタムの先駆的な働きは、現在、日本において生み出されている数多くの楽曲の土台となっていると考えられるが、次の章(「ポップス調の賛美の発信」)では、その働きが「日本人の生活に浸透していく道」を開いていく「現代的な賛美」、「世界の普遍的な文化の構成要素となってきたポップス調の賛美」について論じられている。
宣教の取り組みにおいて文脈化は不可欠だが、「グローバルなキリスト教信仰」の表現としての賛美の重要性は、「情報のグローバリゼーションが進んだ現在」、欠かすことのできない視点となっていることが提言されている。「これからは日本からも世界に対してオリジナルな賛美を発信していける」、「日本のクリスチャン音楽家が貢献することができる道が開かれている」ことが示されている。
第3部の「賛美と礼拝の実践」では、奉仕者がチームでよりよい礼拝に取り組んでいくために必要な具体的、実践的なことが言及されている。また、「作詞、訳詞を目指す方へ」の章では、現在、そして、これから賛美の作詞や海外の楽曲の翻訳に関わっている者たちが何度も確認しておきたい内容が述べられている。
本書を語る上で欠かすことのできない視点は、宣教である。宣教につながる「賛美と礼拝」が今こそ求められているのではないかと読者にチャレンジしている。「牧師も信徒も共に救霊のために汗を流す時代に向かっていかなければ、依然としてクリスチャン人口1%という壁を破ることは難しいと思うのです」
(評・永井信義=東北中央教会牧師)
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