左から栄理哉さん、義哉さん、真哉さん (写真は本人提供)

京都市伏見区の京都グレースバイブルチャーチ(関誠牧師)の三人兄弟、関栄理哉さん、義哉さん、真哉さんのソングライターユニット「イーワイエス」が、今年結成10周年を迎えた。12月14日17時から、同教会でイーワイエス10周年ワンマンライブ「ZENBUNOSE」を開催する。
結成の発端は、2009年、次男の義哉さんの芸能界デビューに遡る。義哉さんは大学在学中に5人組アイドルユニット「新選組リアン」のリーダーとして活躍した。ファンの中から教会につながる人もあった。長男の栄理哉さんは「音楽を通して教会との架け橋になりたいという兄弟の願いに、義哉が先陣を切ってくれたと思います」と、振り返る。リアンが解散した14年、京都に帰ってきた義哉さんの声掛けで、兄弟は音楽ユニットを結成。音楽を通した働きが神様の栄光につながればという願いを、イーワイエスで実現しようと話し合った。
義哉さんは現在、企業や学校への楽曲提供やライブ配信の他に、ゴルフのインストラクターもするマルチタレントとしても活躍中だ。音楽大学でポピュラーを学んだ栄理哉さんは、現在ボーカルインストラクターのほかに、CMソングや社歌等の楽曲提供も行っている。三男の真哉さんはサックスを専攻。ライブ活動を中心に、指導もしている。NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」と「ブギウギ」では、演奏シーンに出演した。
それぞれ好きなジャンルが違い、音楽性が違っても、互いに助け合うことで生まれる兄弟ユニットならではのハーモニーが愛されて、イーワイエスは関西を中心に全国にファンがいる。教会の賛美リードや伝道活動にも熱心で、2か月に1回教会で開催している若者向けの伝道集会「グレバイフェス」は毎回六、七十人の参加者があるほど盛況だ。これは「賛美多めで、メッセージはなく、有志の証しで福音を伝える内容で、ライブハウスに来てもらう感じのライトな礼拝」で、新来会者が半数を占めているという。バンドにはクリスチャンではない仲間もいて、主を賛美する喜びを共有している。
イーワイエスの活動は教会の枠を超えて、地域活性化にも一役買っている。教会が22年に現在地に移転する前は、長年山科区を拠点に伝道活動をしていた。山科区と言えば、京都市の中で「ちょっと地味な滋賀県の隣」と、洛中の人から見られているらしいのが、山科区の人にはおもしろくない。三人でテーマソングを作って歌い、区長から幼稚園児まで、義哉さんが振り付けた「山科ダンス」を踊る動画に、地元の人は大喜び。大きな手ごたえを感じた。
「おかげで地元の友人知人が増えました。ライブに区長さんや市議さんも来てくださったり。すごくいい感じの種まきができました。人と人を音楽でつなぎたい。このつながりが伝道につながり、神様の栄光につながれば」
三人の心からの願いだ。

(2024年12月01日号 06面掲載記事)