追悼・星野富弘さん ―愛する富弘さんをしのんで―
今年9月に行われた「星野富弘メモリアルコンサート Colors of Tomihiro Hoshino」(10月20日号参照)。主催した「富弘美術館を囲む会」創設者で事務局長の故・大嶋清さんと妻・千津子さんは、長年にわたり富弘さんと妻・昌子さんを支え続けた。終演後、コンサートのことや、富弘さんとの思い出について、千津子さんに話を聞くことができた。
9月に行われたコンサートから
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コンサートでは、生前最後の作品「生かされて(つわぶき)」(いのちのことば社「百万人の福音」2017年12月号で発表)をもとに、ゴスペル歌手の竹下静さんが作曲した「生かされて」が初演された。冬に咲き〝季節の最後の花〟とも称されるツワブキに、「そうか 神様に生かされていたのか」から始まる詩が添えられている。
―体調があまり良くなく、だんだん作品を作るのが大変になって、本人は意識していたわけではないけれども結果として、「生かされて」が最後になったのかな、って思うんですけれども。本当に素晴らしい詩だな、と思います。だからどうしても、それを今日ここで歌って欲しかったので、作曲をお願いしたんです。本当にわずかな時間で大変だったと思いますが、良い曲を作っていただいて感謝しています。聞けて本当によかったです。
コンサートのご感想をお聞かせください。
―涙が出てきそうになりました。今朝お電話で昌子さんが「きっと富弘さん喜んでると思う」 って言ってくださって。本当に天で富弘さんが、喜んで一緒になって歌っているような気がしました。出演した皆さんからも、「天に届けたい」という気持ちが伝わってきました。以前発表された時に歌っていたのとは、違う歌い方だな、と感じました。
「生かされて」を演奏する竹下静さん
富弘さんは、優しい面も厳しい面もあった、と伺ったことがあります。
―本当にそうだと思います。私たちにも失敗がありました、、、、、
(2024年12月22・29日号 09面掲載記事)