迫害の国で神の御業を待ち望む パキスタン宣教報告
先日、米国の迫害監視団体オープン・ドアーズの報告書「ワールド・ウォッチ・リスト2025」が発表された(2月2日号、2月9・16日号で既報)。そのうち、世界で8番目に迫害が深刻というパキスタンで宣教の働きを進める藤正信氏に、現地の状況を報告していただいた。
記・藤 正信(あどない・いるえ伝道協会 代表伝道者)

藤正信と藤和子は、2024年12月12日から同月24日まで、パキスタンはラホールで六つの教会での賛美と証しと説教と祈りの奉仕をしてきました。パキスタンは人口2億2千万のイスラム教国ですが、5%の千100万人がキリスト信者です。オープン・ドアーズの資料によれば世界で8番目に信仰の迫害を受けている国です。
さらに隣国がアフガニスタンですが、この国は最も迫害の激しい国の一つなのです。そのアフガニスタンからタリバンがパキスタンに入ってきて教会が焼き討ちに遭っていますが、警察は見て見ぬふりです。さらに宗教差別もひどく、兄弟姉妹たちは良い仕事につけず掃除夫は良い方で、ゴミ拾いをしている人もいて、教会も貧しいのです。キリスト信者は友人ではなく敵であって、一緒に飲んだり食べたりしてはいけないと教えられています。15歳のクリスチャンの学生が、クラスメイトのコップから水を飲んだために殺された事件もありました。暑い真夏に畑で働いている時に、イスラム教徒の水差しに触れただけで10年間刑務所に入れられる事件も起きました。
国の変革を夢見る子どもたちのために
パキスタンではイスラム教の影響で女性差別もひどいです。妻は延べ700人の女性と子らに手を置いて祈りました。神に触れられている人たちが少なからずいるのを体感しました。
若者たちのための聖書セミナーも行いました。私どもは六つの教会で賛美と証しと説教をしました。街中の集会所は建物の屋上で、田舎に行くと土の上に絨毯(じゅうたん)を敷いた上に皆が座っていました。聖書の基本的な重要な教えをお分かちしてきました。


支援している13人の孤児たちと青空学校の子らの様子も見てきました。「信仰の成長学院」はイスラム教徒が住んでいる地域にあり、ゴミ捨て場や貧民街の側にあり、土地は無料で借りているのですが、いつか出ていってくれと言われています。一人ひとりの子らに按手して祈ってきました。特に将来牧師・伝道者になりたい夢をもっている三人の子らのために特別に祈りました。その中の一人、ハリーは、信仰の成長学院での学びを終えましたが、母親を亡くし、脳卒中で左半身不随になった父親を介護しながらコンビニで働いていました。私たちは、ハリーに高校へ行かせ、卒業したら私どものあどない・いるえ神学校で受け入れることも主にあって決めました。
今日イスラム教は世界中で勢いを増しています、、、、、


(2025年02月23日号 08面掲載記事)