「第27回断食祈祷聖会」(同実行委員会主催)が1月13、14日、東京・港区赤坂の赤坂教会で開かれた。テーマは「キリスト教界の危機と希望」。講演Ⅱでは、藤本満氏(インマヌエル高津キリスト教会牧師=写真=)が「新時代の新宣教方策」と題して語った。

前回
「キリスト教界 危機の中に希望の兆しも」 第27回断食祈祷聖会で竿代氏

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最初にイザヤ書43章の「見よ、わたしは新しいことを行う」(19節)を引用し、「『新時代』という時、そこに暗い影があることは言うまでもない」と語る。
その例として、▽日本の教会を建て上げてきた団塊の世代の牧師が隠退し、信徒も高齢化で教会の礼拝に行けない、▽2030年には日本の市町村の半数以上が限界集落となるが、教会もそのような地域に存在する、▽地方教会は、距離が大きく離れている、▽教会は、牧師を招くほどの経済的余裕がない、などを挙げた。
「宣教学は『教会の衰退と消滅』も考察対象とすべきだ(中略)。教会を衰退させる神学的、教会構造的、社会的、文化的諸要因は何なのか、それを理解し、それらを克服するにはどんな応答が必要かを考えるのは重要な宣教学的テーマだ」という、23年の日本宣教学会の文章も紹介。その上で、「コロナ禍はこれらを克服するためのテストケースだったのではないか」と語る。
「Zoom、YouTubeなどのオンラインはコロナ前からあったが、そういう方策には疎かった。神学校教育は対面が大事、オンラインでは無理と言われてきたが、アメリカの神学校のほとんどは、今ではオンライン授業で単位を取得できる。私が教える大学ではコロナ禍を機にオンライン授業が始まったが、今でもオンライン授業での単位取得は40%まで許されている」
「高津教会では2020年、密集を避けるため礼拝出席者を分散し、来ない人はオンライン配信を見てほしいとお願いした。すると、地方教会から『配信の整備が間に合わないので高津教会に参加させてほしい』との連絡が来た。教会や神学校はこういう方策に疎かったが、コロナがその有用性に気づかせてくれた」
オンライン聖餐にも触れた。「20年3月、アメリカで大きなルター派教会の牧師が、ヴァーチャル(オンライン)聖餐を提唱した。その牧師はSNSの世界には懐疑的だったが、ガンを患い、一切の交わりが断たれた時に、助けとなったのがスマホを通じての励ましの言葉、御言葉の配信などだった。その時にヴァーチャルのつながりのありがたさを知ったと」
「ルターは、聖餐の規則の中で、病気で教会に来られない人のために、、、、、

2025年02月09・16日号 11面掲載記事)