主の正義の「停戦」へ祈りを 侵攻3年 ウクライナ船越宣教師
3年前の2月24日、ロシアによるウクライナ全面侵攻が始まりました。あのとき「数週間で制圧される」と言われていたウクライナは傷だらけになりながら今もここに立ち続けています。
ただ、今ウクライナは侵攻開始以来、最大の窮地に立たされています。2月12日から、米露によるウクライナ戦争「停戦交渉」への動きが始まりました。
しかし、当事者ウクライナを除外する形で超大国が話を進めているように見える中、しかも一方的に侵略を受けているウクライナがまるでこの戦争を引き起こしたかのように言われたり、そのリーダーが「選挙なき独裁者」呼ばわりされたりする中、ウクライナの人々の思いは複雑です。
特に、プーチン氏が2022年9月にロシアに一方的に併合すると宣言したウクライナ東部4州から避難してきている人々が私たちの教会にもおられますが、彼らが故郷に無事に帰ることができるのかどうかも停戦の形によって決まります。
今、彼らは言いようのない不安の中で停戦への動きを見守っています。トランプ氏は「ロシアは戦争を早く終わらせたがっている」と言いましたが、2月23日にもプーチン氏は改めて侵攻継続の意思を示しました。
東部ドネツクでは、州全体を早く占領下におさめたいロシアが人命を厭(いと)わない人海戦術で猛攻撃を続けています。そこには、圧倒的な戦力を持つロシア軍に対して、残された領土を防衛するために必死に踏みとどまっているウクライナ兵たちがいます。
ロシア・クルスクでの作戦に参加しているウクライナ兵たち。ウクライナ東北部のスーミィで
また、オデーサを含めた都市部へのミサイル・ドローン攻撃も激しさを増しています。日々、人の命が失われていく中で、早く戦闘が終わってほしい、殺戮(さつりく)を止めてほしい、兵役についている家族に無事に家に帰ってきてほしい、その切なる願いと同時に、身を挺して祖国の独立と尊厳を守ろうと戦ってきた兵士たちの犠牲が無駄になるような形での停戦、ロシアが再侵攻してくる可能性を残した形での停戦は受け入れられない、その強いジレンマの中でウクライナは戦争4年目に入りました。
この何ともやりきれない思いにさせられる状況の中で、真の平和をもたらされる主だけに頼ることの重要さを改めて覚えさせられています。
南部ヘルソン郊外で、侵攻により完全にはかいされたミールナ村の子どもたちにクリスマスプレゼントを届けた
主権者なる主がご自身の正義をもってこの侵略と殺戮を終わらせてくださいますように。主がウクライナの上にあわれみを豊かに注いでくださいますように。主の栄光がウクライナで現されるのを私たちがこの目で見ることができますように。
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