【葬儀特集】信仰継承こそクリスチャンの備え イースター式典社 小林望さん
兵庫県尼崎市の株式会社イースター式典社は、関西で初めてのキリスト教専門葬儀社としてスタートした。社是に掲げるのは「私たちイースター式典社は、主イエス・キリストに仕える者として覚え、嘆き悲しむ兄弟姉妹一人一人を励まし、主イエス・キリストの祝福と慰め、そして御国での再会を心より信じて祈り、キリスト教宣教の一助と成ることを目指します」ということばだ。この理念を守り続けて40年以上、近畿圏各地のキリスト教会からの信頼は厚い。
葬儀は「主にあって召された方の『あかしの場』」だと、小林望会長は語る。キリスト教葬儀は、牧師のメッセージや故人の愛唱歌など、式そのものを通して故人の人となりや信仰が表わされるものだ。小林さんは「ご生涯やご遺族の考え方など、たくさんの気づきや学びをいただいています」と、実感している。クリスチャンホームでも、子ども世代は教会を離れてしまったという例が少なくない。葬儀は親として、キリスト者として遺せる信仰継承のチャンスにもなる。
「そんな亡くなった方の願いが伝わるご葬儀ができたらと、努力しています」
だからこそ、コロナ禍以降、規模の小さないわゆる家族葬が中心になってきたことを懸念している。
一昔前は葬儀は相互扶助の精神で地域が担うものだった。仏式で言う「香典」もその一端。葬儀にはお金がかかる。遺族の暮らしの一助にもなる。故人への思いを形にするものでもあった。キリスト教式では、教会が大きな力になってきた。信徒が万事引き受けて、遺族に寄り添った。今は教会の高齢化が進み、こまごまとした仕事も葬儀社が引き受けるようになった。お花料辞退はもはや当たり前のようになってきたと言う。
会長の小林さん
教会の葬儀はやはり、信徒が集まり、共に賛美し祈って故人を偲(しの)び、集まった親族友人に「教会はなんて温かな所なのか、心のこもった葬儀なのか」と、思ってもらえる最後の生きた証しの場であってほしい。できれば家族だけではなく、お世話になった人々の参列も願って、感謝を伝える場でありたい。小規模になっても、そのようなキリスト教葬儀の真髄を現わしていきたいと、小林さんは願っている。
天国を目指すクリスチャンとして、最も大切な備えは家族への伝道だと、小林さんは確信している、、、、、
要望に合わせたプランを用意
【藤原とみこ】
(2025年03月16日号 05面掲載記事)