【葬儀特集】「死の準備」も楽しく語り合いたい クリスチャンサービス 佐々木行恵さん
「クリスチャンでも『死』は、分からない、怖い、不安。だからこそ、〝こんなこと〟と思うことを分かち合いたいのです」。キリスト教葬儀専門の「株式会社クリスチャンサービス」代表、佐々木行恵さんは、明るく語った。「終活セミナー」ではなく、「終活カフェ」。希望する教会などでおしゃべりをしながら、死への準備や葬儀について語り合う場をつくっている。近年はフラワーギフト、リユース、相続診断士、と働きの輪を広げている、佐々木さんにその思いを聞いた。
「クリスチャンサービス」は、佐々木さんの父の加藤義孝さん(現会長)が2007年に東京都足立区で創業。加藤さんの所属教会、佐々木さんの母教会が大田区蒲田の日基教団・蒲田教会であったことから、東京、埼玉、神奈川、千葉のエリアで働きが広がった。主婦だった佐々木さんは、経理から働きをスタートし、現場にも入った。女性が喪主の場合など、男性スタッフでは届かない部分の対応が喜ばれた。
代表の佐々木さん
必要と思うことは何でも学んでいる。遺族らの悲嘆に向き合うグリーフケアについて、牧師の関野和寛さんから、祈る勇気を、臨床心理士で牧師の岩上真歩子さんから、耳を傾けることを学んだ。「『牧師のために祈れる人になってください、誰かのために祈る人になってください』という言葉を大切にしている。ある先生のために祈ると、『いつも祈る側だったから、うれしい』とおっしゃった。ご遺族からの最初の連絡の時、短く祈ることもある。その方の心に神様が直接触れてくださることを願う」と話した。
SNSでの交流から、同じ信仰を持つ上級相続診断士®の高橋まどかさんと出会い、自身も相続診断士の資格をとった。「『ありがとう』と笑顔で故人を送ってきた経験から、『争う相続を減らし、〝笑顔相続〟を普及させる」、『想いを残す文化を創る』という志に共感した。クリスチャンであれば『想い』は信仰。エンディングノートを書くことは、子や孫の世代への伝道になるのです」
「家族で自分だけ信仰を持っている人こそ、愛唱歌・聖句について一言でも、一筋の線でも残してほしい。どの歌や聖句に心つかまれたのか、遺された人の心に種を播(ま)くことができます。若い人こそ、書いてほしい。上の世代の人のおもいを受け止めることができるようになるからです」
遺品などのリユース活動などの取り組みが足立区の「あだちSDGsパートナー」に認定、、、、、
ご遺族との対話からつくる装花
【高橋良知】
(2025年03月16日号 04面掲載記事)