【レビュー】『宗教二世、教会二世 自分を取り戻すための心理カウンセリング』

 

「(カミに)委ねることは否定しなくても、思考停止にならないことが大切です」。ハッとさせられる一文が随所にある本書は、著者自らも、宗教が背景にある中で人格形成をした経験を持つ。教会二世の当該者でありながら、臨床心理士であり、牧師でもある河村さん。本書はそんな三つの視点から、宗教二世、教会二世周辺について描いた記録だ。教義を理由に、はなから諦めたことはなかっただろうか。怒りや自分の気持ちを押し殺してはいないだろうか。生きづらさを感じてはいないだろうか。


 読み進めるうちに色々な感情が沸き起こるとすれば、それはかつて抑え込んだ気持ちや見落としてきた問題に目を向けさせてくれるからだろう。河村さんはこう語る。「単なる宗教批判ではありません。信仰をやめさせようとしているのでもありません。心に傷を負った方にも希望があることをお伝えしたいだけです」。希望へ向けた確かな歩みの傍らに、三つの立場から寄り添う一冊。

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