「本屋」は人を自由にする 「本屋」の存在意義⑦

【書店】本を販売する小売店【本屋】本を売る人たち

前回

東アジアで広がる文化空間 「本屋」の存在意義⑥
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 セレクト書店、独立書店が盛んな韓国、台湾だが、日本の本屋へのまなざしは熱い。石橋毅史さんの『「本屋」は死なない』(新潮社、2011)、下北沢で本屋B&Bを開いた内沼晋太郎さんの『本の逆襲』(朝日出版社、2013)、が韓国語、中国語に翻訳。そのつながりで内沼さんは、17年からアジアの本屋が集まるAsia Book Marketを開催。『本の未来を探す旅 ソウル』(朝日出版社、2017、以下『ソウル』)『本の未来を探す旅 台北』(2018、以下『台北』)を出版。石橋さんは『本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち(ころから、2019、以下『アジア』)を出版した。

 『ソウル』では、セレクト書店が増えた背景として「Thanks  Books」店主イ・ギソプさんは、「急激な高度経済成長を通じて画一化された文化」から「経験の質を重視する社会」への変化を挙げ、「街の本屋それぞれの力は弱いけれど、その多様性が合わされば大きな力を生み出す」と述べた。「ブック・ノマド」店主ユン・ドンヒさんは「大学を卒業して企業に就職し、家庭を持ち安定した生活を送るという路線」が見いだせない中、「みな自分で小さな仕事を探さなければならない」という若者たちを取り巻く社会背景を語った。

(次ページでアジアの本屋について)