大きな政局の変化を迎えた7月20日の参議院選挙。キリスト教会にも影響を与えるだろう。「参議院選挙後の祈り」を寄稿してもらった。
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神よ、参議院選挙が終わって3日がたちました。わたしは、日本社会が大きく変わってきたのを強く感じています。排除の言葉が憚（はばか）ることなく叫ばれ、差別の態度が笑いをもって肯定される現実を目の当たりにし、悔しさと悲しさが入り混じった気持ちを抱えています。いや、驚くことではないかもしれません。隠されていたものが露（あら）わになっただけなのでしょう。なにしろ過去の植民地支配や戦争加害を美化する教科書を公認する国なのですから。
神よ、わたしはこれほど外国ルーツの人々の顔と名前を思い浮かべた時はありません。いじめや嫌がらせ、経済的困窮と闘いながら、夢をもって学び、あるいは働いているKさんやTさん。繰り返される「日本人ファースト」のスローガンに、どんなに不安でつらい日々を過ごしたことでしょう。話したことはないけれども、いつも利用するコンビニ・レジのCさんやFさん。身がすくむ思いで仕事をしていたのではないでしょうか。
神よ、わたしは今回ほど、日本の人々が声を上げることの重要性を実感したことはありません。公示日直後から呼び掛けられた「参議院選挙に臨み排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明」は瞬く間に拡散され、1100以上のNGOが賛同して公表されました。参政党の演説会場には、「人間にファーストもセカンドもない」とプラカードを挙げる人々の姿がありました。同党党首による在日コリアンへの差別用語使用に対しては、すぐに抗議の声があがりました。同党候補による「わたしを日本人のために働く”お母さん”にしてください」には、Xでブーイングが相次ぎました。排外主義や差別言動に対してそれは違うと声を上げる。それは、共に生きる社会を作っていくための基本のキなのでしょう。
神よ、わたしは今、沖縄をベースに活動する芸人「せやろがいおじさん」のYouTube動画に励まされています。せやろがいおじさんは選挙翌日に、「参院選で『終わり』じゃなくむしろ『ここから』」という動画をアップしました。そうです。まだまだ、ここからです。日本キリスト教協議会(NCC)は、「いま抑圧され、かき消されようとしている目の前の『いのちの叫び』に対して、わたしたちがどのようであるかは、現在だけでなく、未来においても鋭く問われる」と今期の方針で述べました。「未来に対する責任」を「今」担っていこうとする志を、どうか祝福してください。キリストの名によって。アーメン
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