“心中事件”の解明へ--クリスチャンとして真実を求める

<”心中事件”の解明へ/阿武山福音自由教会牧師・池田 豊 さん><クリスチャンとして真実を求める>

 神奈川県藤沢市に住む飯島良雄さん、郁子さん夫妻(藤沢福音自由教会員)の長女で洋装店員だったの美穂さん(当時25)が一九九三年十二月、アパート自室で焼死体で見つかった事件があった。七年四か月経った今、殺人事件でいったん不起訴とされた佐々木慶容疑者が、再捜査を経て今年の三月起訴されるという異例の展開となった。当初から事件とかかわりを持ち、飯島さん夫妻とともに事件の真相解明に努めてきた池田豊さん(阿武山福音自由教会牧師・事件当時は藤沢福音自由教会牧師・)は、「神様は正義、真実を愛する方。明らかに真実がゆがめられているならば、真実を明らかにしたい」と語った。

 この事件は最初、刑事事件としては不起訴処分となった。ところが昨年七月、民事訴訟として横浜地方裁判所が殺人放火事件と認定。「刑事で一度不起訴となった事件が民事でひっくり返されたケースは異例の展開」とメディアが報道したこともあり、一度佐々木慶容疑者(会社員)を不起訴処分にした横浜地方検察庁は、異例の再捜査を開始した。
 今年の二月二十六日、同検察庁は佐々木慶容疑者を殺人放火容疑で逮捕。三月十八日には殺人と現住建造物等放火罪で横浜地方裁判所に起訴した。良雄さんは「まだ終わっていないが、うれしい。七年という時間がかかったが、確かに神様は働いていると思った。憎しみは全部心の中にしまってきた。(容疑者と暮らしていた)美穂の最後の一年間はなかったと思いたい」と語る。
 池田さんは、美穂さんが幼いころからキリスト教会に通っていたこともあり、飯島さん夫妻から葬儀の司式を依頼され、この事件には深く関わってきた。飯島さん夫妻とともに事件発生現場を訪れ、ビデオ撮影をしたり、高等裁判所に陳述書を提出したりした。
 「刑事事件で不起訴となった時点で、われわれは絶望的な体験をした。しかし、神様はそのことを用い、かえって民事裁判に有利となる方向に導かれた」
 池田さんがこの事件に疑問を持ったのは、事件数日後、突然の呼び出しで、美穂さんと同棲をしていた佐々木慶容疑者とレストランで会ってからだった。
 彼は「事件は美穂さんが一方的に起こしたことで、自分はただ見ていた」という内容を延々と語った。この時池田さんは、「自分がメモをとっていたことに、彼が異常なほどおびえていたことに不審を抱いた」
 心中事件として済まそうとする藤沢北警察署の初動調査のずさんさにも疑問を抱いた。「警察は、当初、心中事件という取り扱いをしたため、飯島さん夫妻から事件前の美穂さんの状況や、事件に至る経緯等についてほとんど聞こうとしなかった」
 池田さんは、事件の真相を解明しようとしてきた動機について、こう語る。「悪い人がいたら、反抗せずに無抵抗でいる方がよい、という人もいる。個人的な報復は否定するが、神は正義、真実を否定しない。クリスチャンは悪者のやりたい放題の自虐的集団ではない。隠れたことをすべてご存じの創造主の御前で、私なりにできる限りの真実の追究を、飯島さんご夫妻のため、させていただこうと思いました」