
沖縄への米軍基地集中を、本土の問題として引き取ることを目指す「沖縄の基地を引き取る会・首都圏ネットワーク」は3月23日~25日に、学生などを対象に沖縄スタディーツアーを実施した。3月16日の辺野古沖船転覆事故直後という状況だったが、参加した学生らは、沖縄戦、戦後の沖縄、基地の現状を、目の当たりにし、自らの立ち位置と内面を問い、身近な場所から行動を始めた。報告会が、6月20日、東京・新宿区の日本キリスト教会館で開かれ、平和教育、平和学習の内実も語り合う内容となった。
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「中立」に疑問 「第二の沖縄戦」への危惧
同会にかかわる哲学者の高橋哲哉氏(東京大学名誉教授)は、辺野古沖船転覆事故を振り返り、「研修旅行を計画した同志社国際高校側にも、船を運航したヘリ基地反対協議会側にも、安全対策に問題があった」と述べる一方で、「文科大臣が教育基本法における政治的中立違反だと認めたのは、大問題だ。辺野古基地を推進する政府の一役を担う大臣が、中立的な裁き手のように語るのはどうか」と疑問を呈した。
また6月20日に、離島防衛を想定した、米軍、自衛隊協働の共同訓練が熊本県健軍駐屯地を皮切りに始まったことを指摘し、「台湾有事を想定した訓練だ。石垣島や宮古島では、避難訓練もなされている。有事が現実化すれば、戦後繰り返してならないはずの第二の沖縄戦、という最悪のシナリオに進みかねない」と危惧した。
「無関心でいられたのは安全地帯にいたから」
今回の沖縄ツアーには、北海道、新潟、東京からの学生や青年、博士課程の米国人学生とそのパートナーの計9人が参加。沖縄戦と基地問題に詳しい現地のガイドが同行。初日は、沖縄戦の戦跡や住民が避難したガマ(自然壕)。2日目は、沖縄国際大学で、基地引き取り運動に沖縄側から影響を与えた知念ウシさんや、現地の人、学生との対話。3日目は、事故直後のため、当初予定した辺野古湾見学を変更して、那覇軍港移設予定地の浦添西海岸で基地問題を考えた。
6月の報告会では、ツアー参加者の新潟県立大学学生の武藤裕汰さん、国際基督教大学学生の藤井二胡さん、北海道大学東アジアメディア研究センター学術研究員の下郷沙季さんが語り、福本圭介さん(新潟県立大学教授)、田村真弓さん(国際基督教大学[ICU]高等学校教員)が応答のコメントをした。
武藤さんは、高校時代までは、沖縄の問題は、「テレビの向こうのこと」と関心を持てないでいた。しかし福本さんの授業を通して、「自分が沖縄で無関心でいられたのは、無関心でも傷つかない、安全で特権的な場所に自分がいたからだ」と述べた・・・
(次ページ[下部ログインボタンから]で、各報告と対話、「他人の評価」「好奇心」を越えて、「9条があるから日本は平和」の外にあった沖縄、「平和学習」はなぜ必要か、など)
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