「3.11いわて教会ネットワーク」は3月9日、第14回の3.11集会を開催した。当初予定していた会場の大船渡リアスホールは、大規模山林火災の避難所、対策活動拠点となったため、北上市の保守バプ・北上聖書バプテスト教会に変更して行った。
今年のテーマは「山脈を越えて」。ネットワーク代表の近藤愛哉氏(保守バプ・盛岡聖書バプテスト教会牧師)は、地理的分断を越えた交わりと協力を呼びかけた。集会では、県内の教会が事前に制作した教会紹介ビデオを上映。方言、都市間の距離、教会の数など、岩手にまつわるクイズ大会も行われた。

牧師、宣教師らによる〝ミッショナリーバンド〟の奏楽で賛美。グレイスハウス教会フェイスブックより

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アッセンブリーズ・オブ・ゴッド・釜石アメイジング・グレイスセンター(釜石市)牧師の吉岡敬蔵氏がメッセージした。
―14年前の大震災と、先月からの大船渡の山火事がオーバーラップする。大震災で被災した後、家と生活を再建した方々が、再び被災し家を失い避難所に行くという、二度の大きな悲しみの中にある。悲しむ人々を間近で見た時、我がことのように心が痛んだ経験が誰しもあると思う。イエス様も「深くあわれみ」(マルコ6・34)、心が揺さぶられた。
岩手宣教の歴史を見ると、1933年の三陸大津波の被災者の痛みを我が痛みとし、歩いて峠を越え町を巡った宣教師タマシン・アレンがいた。ここにいる皆さんも14年前、同じようにしたのではないか。ところが、山を越えた交流は、勢いが落ちると止まってしまう。これもまた岩手宣教の歴史。私たちが山脈を越えることは非常に大切。この流れを止めてはならない。使命が与えられている一人ひとりがここに集められている。
私たちが一つとなり祈る時、天の父はかなえてくださると、イエス様は約束してくださっている(マタイ18・19~20)。私たちの祈りが地に落ちることはない。私たちが一つになることを一番願っているのはイエス様(ヨハネ17・11)。そこにイエス様は現れる。「クリスチャンのボランティアは何かが違う気がする、と言われた」という証しを読んだ。彼らは被災地の祝福と慰めを祈りつつ作業をしていたと思う。そこにイエス様はおられる。ということは私たちはイエス様を通して愛を伝えることができるということ。岩手に遣わされた私たちは使命を全うしよう―。

2025年03月23日号 01面掲載記事)