先手打って準備 混乱を最小限に 大阪女学院中学校・高等学校

 大阪女学院中学校・高等学校(大阪市)では先手を打って準備を進めることで混乱を最小限に抑えた。2003年春のSARS流行時に近隣のホテルに宿泊していた外国人旅行者の感染が判明し、最悪の場合、地域が封鎖されて学校機能が完全に麻痺する可能性があったことをきっかけに危機管理体制の強化に着手。伝染病だけでなく自然災害や犯罪、原発事故などを想定した危機対策マニュアルの策定に取り組んできた。
 現在では、たとえ学校に集まれないような状況が生じたとしてもインターネット上のクラウドとネットワークを最大限に活用して対応できる体制が構築されているなど、発生後72時間の初期対応についてはすべてマニュアル化されている。組織としての対応体制を明確化することで、突発的な事態にも対応できるようになり、18年6月の大阪北部地震の際には、公共交通機関が止まって帰宅困難となった生徒のために、方面別に数台のバスをチャーターして帰宅させたこともあった。
 今回の新型コロナウィルスの流行に際しても、危機管理マニュアルをベースに2月中旬までに対策を固め、イベント・行事の中止、生徒や教職員及びその同居家族に感染者が出た場合は最低2週間学校を閉鎖することなどを決め、生徒・保護者・教職員に周知。さらに2月末には文科省や大阪府からの通達を受けて3月2日からの休校を決定。学年末試験やクラブ活動を中止すると共に、生徒の安否確認のルールを確認するなどの対応をとった。生徒の学習については、各教科で課題を用意するほか、学習支援ポータルサイトの利用も推奨することで学ぶ機会が確保できるようにした。
 教職員も原則として在宅勤務に移行。連絡業務などのため少数の管理職が交代で出勤する以外、学校内での業務は必要最小限に限定の上、許可制とした。成績は2学期までの評価と平常点によって、生徒に不利益が生じないよう配慮しつつ算出することにしたが、以前から定期テストに頼らない成績評価への取り組みを進めていたこともあって、比較的スムーズにいったという。
 3月19日の中学卒業礼拝は、在校生の出席を見合わせ、座席の間隔を空け、換気に配慮の上で挙行。155人の生徒を無事に送り出した。現在は新年度からの授業再開に向け、様々なケースを想定しつつ準備を進めている。【山口暁生】