憲法特集/3人に聞く③ 「人権」がない場面から想像する 藤田直彦=小学校教員、日本バプテスト連盟恵泉バプテスト教会会員

学校では「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の憲法三原則を学びます。最近、憲法の中心は「基本的人権の尊重」であり、「人権」は、「人権」が大切にされない場面で、目に見えてくるものだという思いを強くしています。様々な差別に出会うとき、ヘイトやハラスメントにあったとき、言いたいことが握りつぶされたとき、不条理の中で我慢を強いられたとき、命が大切にされないとき、「人権」という言葉が立ち上がってきます。 「平和のための軍備」が進められる時代に、「平和」を「人権」からとらえることの必要性を感じます、、、、、

憲法特集/3人に聞く③ 『日本の教育政策とキリスト教学校』を読む 「人格教育」で「愛国」を相対化する 評・大嶋果織

今、日本という地に建てられたキリスト教学校はどのような状況に置かれているのだろうか。昨年8月、全国キリスト教学校人権教育研究協議会(全キリ)総会で採択された七つの要望書(日本キリスト教協議会[NCC]教育部も一部連名)がそれを端的に説明していると思うので、以下に表題を紹介する。本書で直接触れられているわけではないが、刊行の社会的背景を教えてくれるからである。 各要望書のタイトルは「学校における国旗・国歌の強制をやめてください」、「道徳教育の『教科化』に対し重ねて反対を表明し、撤回を強く求めます」、「横浜市と藤沢市は、教育現場の声を無視した『全市一括採択方式』を改めてください。ひき続き、育鵬社改訂版『新編新しい日本の歴史・公民』は採択しないでください。アジアの一員としてふさわしい歴史認識が得られる歴史教科書を採択してください」、「令和書籍『国史教科書』の検定合格に抗議し、撤回を求めます」、「『高等学校就学支援金』の朝鮮高校への即時支給と『幼保無償化』の朝鮮幼稚園への適用、また『3・29通知』を撤回して朝鮮学園への補助金支給を再開することを求める要請書」、「沖縄に対する差別政策を改め、平和のために働いてください」、「原発再稼働、新設をやめ、原発を廃止することを求める要請書」だ。

【放送伝道特集】「一人ひとりをどれほど大切にできるか」 日本キリスト改革派教会 ふくいんのなみ

 日本キリスト改革派教会(RCJ)大会メディア伝道局による「RCJメディア・ミニストリー」は、宣教活動のウェブサイト「ふくいんのなみ」を、インターネット黎明(れいめい)期の1997年より開設している。聖書日課、教理の学びの連載、そしてラジオ番組のアーカイブ提供、ネットラジオの配信など、活動内容は多岐にわたる。  1951年に日本での民間ラジオ放送が始まると、52年には、米国南長老教会に協力し「キリストへの時間」を放送開始。日本各地へ放送網を広げた。その後、中部中会や他教団の教会などが合同でCBC中部日本放送での放送を、西部中会がラジオ関西での放送を引き継ぎ、それぞれ番組制作を開始。大会メディア伝道局は高知放送での制作と放送を引き継ぎ、近年、南海放送でも放送を始めた。同じ番組名で、各地域が独自の内容を制作しているのが特徴的だ。

【放送伝道特集】いつ芽が出るかわからなくとも 「まことの救い」「イエス!You CAN」万代栄嗣さん

 1968年に始まり全国約10局で放送する「まことの救い」と、99年に愛媛県・南海放送で始まった「まんだい・えいじのイエス!You CAN」。スタイルの違う二つの地上波ラジオ番組で発信する万代栄嗣さん(日本福音宣教会・松山福音センター牧師)に放送伝道への思いを聞いた。  「まことの救い」は、賛美歌・聖歌、聖書メッセージ、祈りで閉じる10分番組。先代牧師で父の恒雄さんが始めた。当時すでにテレビはあったが、ラジオの影響力も大きく、テレビより資金面のハードルは低かった。恒雄さんは、海外からの献金で放送伝道に携わった経験があるが、高度成長期でもあり、「海外の資金に頼らず日本人の手で日本人の救いのための働きをしなければならない」という使命感をもった。  放送を始めたのは、大阪の放送局朝日放送だった。「父は各地で巡回伝道師の働きをしていましたが、特に関西で呼ばれた。一回伝道集会すると、20人も30人も救われるということが当時はあった、、、、

【放送伝道特集】顔が見えないからこそ 「私達の働きは聞くこと」 日本FEBC

 音声メディアに今もなお一定の需要があるのはなぜか。その理由について、FEBC日本統括ディレクター補佐の長倉崇宣さんは次のように語った。「ある時、リスナーの方が放送を聞いて、『自分もその場にいる感じがする』と感想をくれた。映像だとそうはならない。声だけだと想像を働かせて、聞く中で、自然に心の中に入ってくる。自分もその中にいるっていうことが体験できる。見える情報が、時には壁になることもある」  見えないメディアを通して、見えないお方と出会う。日本FEBCは73年にわたり、超教派の放送伝道を続けてきた、、、、、