10月に行われた「宣教フォーラムMIE2024」は、日本の教会の覚醒を目標に掲げ、超教派の宣教協力が論じられた。連載で内容を伝える。今回は全体集会④での佐伯真さん(ホーリネス・高知グレースチャーチ牧師、T&M公認トレーナー)の講演要約。

傷ついた教会を修復し 健康な教会に

―T&MはTrain & Multiply(訓練と増え広がり)の略で、弟子訓練による教会成長と拡大のためのプログラム。おもな取り組みは三つ。
(1)教会を立て上げること。祈り備える、平安の子を探す、福音を伝える、従うことを教える、洗礼を授ける、教会を形成する、牧会従事者を登用し育成する、という一連の手順を繰り返すことを「ジェネレーションサイクル」と呼んでいる。
(2)信徒を育成すること。Listen(傾聴)、Care(寄り添う)、Celebrate(共に喜ぶ)、Goal(目標設定)、Reality(現状把握)、Option(解決策)、Will do(実行)の頭文字を取って「LCC-GROWコーチング」と呼ぶ。コーチする人ではなくコーチを受ける人が目標を決め、その人の内側にある賜物を引き出す。
(3)バレル(樽)モデル。健全な教会を目指す。使徒2章後半でペテロが説教した直後に立ち上がった教会が一番健全な教会だ、と私たちは見ている。九つの特徴がある。①2、3人以上のグループリーダー、②伝道、③聖餐、④仕え合う、⑤洗礼、⑥祈り、⑦聖徒の交わり、⑧賛美と礼拝、⑨みことば。これらを、樽の胴を構成する木材に例える。どれか一本でも短いと、樽の中身は漏れ出てしまう。健全な教会を目指すなら、短い部分を改善せねばならない、という考え方だ。

私たちの教会での取り組みと結果をお分かちしたい。私たちは非常に傷ついていた。新会堂を建てたのにコロナで集まれず落胆した。経済的にも行き詰まった。教勢が低下し、教会が内向きになった。みな自信を失い傷ついた。コロナとワクチンにより5人が難病になり、元気だった人が歩けなくなり話せなくなった。私を含め言語障害が出た。ソーシャルディスタンスによるコミュニケーション不足で人間関係がもつれ、精神障害が進んだ方もいた。オンライン礼拝で教会の礼拝姿勢が失われ、批判や裁きが起こった。
そこで「樽モデル」に基づき話し合い、祈り合うと、三つの欠損があることがわかった。②伝道ができない状態、⑥祈りが枯渇し心配や不平不満ばかり、⑧お通夜のような礼拝、、、、、

2024年12月08日号 07面掲載記事)